飼い主の直感

素人だけど、飼い主だから・・


ほとんどの飼い主の方は、動物診療については素人です。

  「何かおかしいと思うけど、獣医師は大丈夫って言うし・・」
  「こんなこと、素人の私(飼い主)が言ったら、獣医師に嫌な顔されそうだから・・言わないでおこう」

こんなご経験はないですか?
もしあるのなら、次の機会には気を付けた方が良いかもしれません。
素人だけれど、我が子をいつも見ている飼い主だからこそ、「直感が当たる」・・ということもあると思うからです。

直感を無視して、その根拠を確かめることを(強く)獣医師に言わなかったばっかりに、後に直感が当たっていたことを知った私の気持ちは
言葉ではうまく言い表せないものでした・・



(※以下、2006/7/16付ブログエントリーに、多少の加筆修正をしたものです。)


唐突ですが・・・
「飼い主でなければ分からないこと」って、あると思いませんか?

乙音の闘病中、私はずっと気に掛かっていることがありました。
乙音は、「腸の病気ではないか?」 ・・ということです。

私達が、「乙音が何かおかしい・・」と気付いたのは、「嘔吐」と「便秘」でした。
それまで、嘔吐することはたまにありました。
乙音は「早食い」の傾向があって、ご飯はいつもペロっと食べてしまっていました。
食べる量も違いますが、食べ終わって、まだ春之進が食べているのを見て、羨ましそうにしていたこともあります。
(春之進の分まで取って食べようとすることは、絶対にしませんでしたが)
そのせいか、食後に嘔吐(というより、吐き戻し)することはありました。

乙音の場合、発症前は、食べてからあまり時間が経っていない時に吐くことが多かったと思います。
吐いた物はあまり消化されておらず、吐いたものを食べようとしました。これは吐き戻しに当たるので、今まで思っていた「嘔吐」は、
大事に至らなかったのだと、今は思います。
発症時の嘔吐は、寝る直前の時のこともあり、夕食後かなりの時間(7〜8時間)が経過してからでしたので、これは嘔吐になります。
実際、吐いた物もドロッとしたものでした。
不思議なことに、春之進は今まで嘔吐や吐き戻しをしたことが殆ど記憶にありません。
乙音はその点で「弱かった」のかもしれません。。


便秘については、それまでの乙音ではなかったことでした。
排便は、たいてい食後すぐで、毎日規則的に2回ほどの排便がありました。
過去に2日以上排便がなかったという記憶はありません。

丸8年間、「2日以上排便がなかったことが無い
↑これが、どうしても気になっていました・・

発症初期から、私は獣医師に「腸の病気ではないか?」ということを再三聞いていました。
「下痢をしないなら疑いは無い」と、獣医師はかなり断定的な見解でした。。
それでも心配だったので、独自に調べてみましたが、確かに腸の病気の解説は、どれも「下痢が伴う」ことが書いてありました。
特に、命に関わる「重篤な病気」の場合は、「激しい下痢」だと・・。

乙音は全く下痢をしなかった訳ではありません。
ですが、低タンパク血症のため、食餌をいろいろ変えており、ごく「稀」な下痢は、「食餌の変化のせい」と言われてきました。

腸の診察は、エコーのみでした。便の検査はしていません。。
何度も便の検査をお願いしようと思いました。
ですが、「腸の病気ではない」と言われ、「私の素人考えなのかな・・」と、便の検査を依頼する「強い意志」が私にはありませんでした。。
無駄だったとしても、便の検査ならば、検査による乙音の体力の消耗はないので、お願いするべきだったと思います。

また、数日の便秘でエコー検査をした時に、「腸が膨らんでいる」と言われたことがありました。
「便が詰まっているか、腸壁が腫れているか・・」動物病院の超音波診断装置では、その違いまでは分かりませんでした。。
便秘だったので、「便秘でしょう」ということになってしまいました。
掛かり付けの病院では、便秘なのか腸壁の腫れなのか、「確定」できない設備しかなかったのです。。

大学病院での検査で、「腸にかなりの病変がある」と言われましたが、その病変は「腫瘍かもしれない」という、あやふやな診断でした。
大学病院の検査設備(レントゲン・エコー)でも、それがどんなものかは確定できませんでした。
(開腹するか、MRIで検査すれば、特定できたと思われます。)


「ウィルス性のものであれば、ここまで酷くはならない」という、大学病院の先生のお話からすれば、掛かり付けの病院で便検査をしても、
「病変」の存在は判らなかったかもしれません。
ですが、腸の病気の可能性を、最初からもっと考えていれば、もしかしたら早い段階で「病変」が見つかったかもしれない・・ 
「頻繁な下痢」をしなくても、「腸に病変ができることはある」という、情報を得られたかもしれない・・


獣医師は、飼い主からの情報と、自らの診察で病気を判断します。
飼い主からの情報というのは、とても重要だと思います。
動物は、病院へ行くと環境の違いから「緊張」し、自宅での状態を再現してくれないことが多いと思います。
(乙音も、いつも病院では、「あたち、どこもわるくないから」みたいな顔をしていました。。)


常時その子のことを見ているのは飼い主です。
飼い主が「気に掛かる」ことは、「納得するまで解決する」ことが大切だと思います。
たとえそれが、「常識外れ」であっても・・

飼い主の直感は当たっていることもある」と、経験から感じています・・






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