飼い主が知識を持つ必要性

                                (※以下は、2006/6/17付ブログエントリーに、多少の加筆修正を加えたものです。)

何故、獣医師任せではダメなのか?
    


私は乙音が発症する以前、ほとんど動物の病気に関する知識がありませんでした。
まあ、今も素人の付け焼刃程度ですので、偉そうなことを言えたものではないのですが・・

乙音の闘病から学んだことのひとつに、「飼い主は、病気その他の知識をある程度持たないとダメ」・・・ということがあります。
我が子を無駄に苦しめず、一日でも長く一緒に生活するためには、飼い主が知識を持っているかどうかが非常に大きな鍵になると思います。


「飼い主が知識を持つ必要性」には、4つの意味があります。

           
   @病気の予防のため 
   A病気の早期発見のため
   B最良の治療を選択するため
   C獣医師と話し合いをするため



@は、「どんな場合に病気になり易いかを知る」・・ことです。

年齢で発病率の高まる病気もあります。
食生活・ストレス・飼い方によっても違ってくるでしょう。
それは人間と同じです。
また、日常の観察をすることで、健康状態を把握する意味もあります。



Aは、「病気の初期症状を知る」・・ことです。

ご存知の通り、動物の年齢は、人間に換算すれば何歳?・・という目安があります。
例えば小型犬は、生後1年で人間の18歳前後、生後10年で55歳前後と言われています。
その理屈から言えば、細胞分裂のスピードは、「犬猫は人間の4〜5倍」ということ?
とすれば、動物の病気の進行は、犬猫の場合、人間の4〜5倍以上と言えるのですが・・

臓器など、人間の体の造りと似ている犬や猫なので、、細胞分裂のスピードがそんなに違うかどうかは分かりませんが
こと、病気の進行の早さについては、(経験上)この年齢換算で考えても良いと思います。

したがって、1日異変に気付くのが遅れれば、人間の4〜5日の遅れと同じということになります。

例えば、人が風邪をひいたとします。

1日目は、「何か風邪っぽいなぁ・・」
2日目は、「熱が出てきた・・。喉が痛い。」
3日目は、「38度もある・・」
4日目は、「頭が痛い・・。動けない・・。呼吸が苦しい。」
そして5日目にやっと病院へ行くと、「肺炎です」。。

かなり極端に言えば、このようなケースはあることです。
人間ならば、3日もおかしければ病院へ行くでしょうし、病院へ行かないまでも市販薬は飲むでしょう。
いよいよ動けなくなるまで病院へ行かなければ、重い症状になってしまいます。

では、動物と人間の年齢換算で考えたら、動物の場合はどうなるでしょうか?
人間の4倍の早さで病気が進行すると考えます。

午前(動物の1日目)は「元気」だったのに、
午後(同2日目)は「調子が悪そう」になり、
夜(同3日目)は「元気が無い。食欲が無い。」、
朝方(同4日目)は「呼吸が荒い。グッタリしている・・。」 ・・という可能性があります。

6時間が人間の一日と同じです。
実際、乙音の場合、「急変する」ことが多かったように思います。
「今日は調子が良さそうだな」と安心していたのに、数時間後には痙攣を起こしたり・・

これは極端な話ですし、この理屈が正しいかどうかは分かりません。
けれど、「人間以上に、早く気付いてあげることが大切」・・というのは、経験上間違ってはいないと思います。

初期症状を知ることと共に、動物の「本能」も頭に置いておかなければならないと思います。
動物は敵から身を守るため、人間のように具合が悪いという「弱み」を見せないと言われます。
野生動物に比べれば、愛玩動物はそうでもないのかもしれませんが、普段行かないような、人目に付き難い「部屋の隅」などで
うずくまっていたら、「思ったより状態が悪い」ものだと考えておいた方が、早めの対処ができると思います。



Bは、不幸にも病気になってしまった場合、「治療の選択は飼い主がする」・・ためです。

病院によって、また獣医師によって、いわゆる「良し悪し」はあることです。
そして、勘違いをしてはいけないのは、「獣医師は全ての病気・怪我の治療が適切に出来る」・・という認識です。
詳しくは「獣医師とは?」に書きますが、私たち飼い主が思っているほどではないようです。
人間以上に、「獣医師の格差は大きく、病気によって良し悪しは違う」・・ようです。
それを踏まえて、飼い主が「獣医師を見極める」・・必要があります。

人間の場合も同じではないでしょうか・・。
人間の場合、病院で治療しているのに「良くならない・・」、「薬が多過ぎる気がする・・」などと感じれば、
他の病院で診てもらう選択をすると思います。
人間の場合は、「より良い病院(高度治療のできる病院など)」が分かります。
ですが、動物病院はなかなか判断つかないところがありますよね? 
また、中には、「事情により」不要な薬や検査・入院をさせるところもあるようです。

動物病院(獣医師)の良し悪しを見極め、治療の選択をするのは「飼い主の義務」だと、私は経験上思っています。
大学病院などへの紹介を切り出すのも、飼い主の選択なのだと思います。



Cは、「B(治療の選択)を的確に行うためには絶対に欠かせないこと」・・だと思います。

獣医師が現在の病状をどう考え、どのような治療をしていくつもりなのか、ある程度対等に話ができないと、
全て獣医師にお任せになってしまいます。。
動物診療は、人間ほど治療方法が確立されていないようです。
どんなに優秀な獣医師でも、「分からない」ことはあるんだと思います。(検査設備が不足していることもあります) 
獣医師と話し合うことで、そのあたりも見えてくるはずです。
早急に「適切な治療」を受ければ助かったのに、「対症療法」(※1)の期間が長過ぎて手遅れになる・・ということは、
実際珍しいことではないようです。


少なくとも・・
@病気になり易い場合、A病気の初期症状、については、飼い主は知識を持つ必要があると思います・・。
そして何はともかく、「何かおかしかったら病院へ」を心掛けることが大事なのではと思います。

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※1:「対症療法」
   原因疾患が判らない場合の、現在の病状の改善が目的。
   併せて薬を幾つか投与し、効き目のある薬から原因疾患を探る場合もあり
   原因疾患を特定していないので、仮に一次的に症状が緩和しても、次第に悪化することがある。


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