乙音という名の愛娘
【発症】
発症(気付いたのは)は、2月24日から3日間嘔吐をし、便秘でお腹が膨れていたことに始まります。
それまでも嘔吐することはありましたが、ここ何年ものことであり、一回嘔吐してケロッとした顔をしていたので、さほど気にすることはありませんでした。
ただ、今回は嘔吐が続くし、多飲多尿もあり、お腹の張りが気になったので、急いでかかりつけの動物病院に連れていきました。
血液検査では、肝臓・心臓に異常な数値は見られず、便秘も「気にすることはない」という獣医先生のお話だったので、安心して帰宅しました。
この当時は食欲もあり、(もっとも、もともと食いしん坊でしたが・・)この8年余り、病気一つしない丈夫な娘でしたから、単に「調子が悪いだけだろう」くらいにしか思っていなかったのです。
次の日、その次の日、多飲多尿は続きます。
排便はあっても、お腹の張りは残ります。
我が家には、春之進(はるのしん)という同じヨークシャーテリアの♂がおり、今から4年前、彼は5歳の時に糖尿病になってしまいました。
その時も、多飲多尿から始まったので、とても気になり、再度、動物病院へ連れて行きました。「念のため、レントゲンを撮ってみましょう」ということで、レントゲン撮影。
うんちは溜まっています。
ここで、先生、レントゲン写真を凝視し、「胸水があるように見える」と仰いました。
エコー検査で「胸水」があることが判明し、胸水の成分検査もしたのですが、「ほとんど水」ということでした。胸水が溜まる原因としては、「心臓疾患によるもの」が多いようですが、その場合は「血液成分が混じるはず」とのこと。
「心臓疾患ではないだろう」というお話で、ほっとしたのを覚えています。
胸水の原因としては、「ホルモン失調の可能性もある」ということでした。
この娘は、5歳時に妊娠したのですが、産道に胎児が引っかかったため、死産でした。
妊娠はそれ一回だけで、もう8歳なので、「避妊手術をすればホルモンが安定する」ということで、落ち着いたら避妊手術をすることにしました。
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この日から、乙音の闘病生活が始まりました。
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治療は、胸水を抜くための「利尿剤」と、念のため、心臓疾患の薬(ENACARD)の服用で、数日様子を見るということになりました。
数日後の検診で、血液検査の結果、血漿総たんぱく(TP)の値が低いことが分かりました。
通常、TPは5〜8g/dLが正常値ですが、乙音は3.1g/dLしかありません。
半分の数値というのは、かなり異常のようです。
血液中のたんぱく濃度が減ると、血液中の水分が血管から漏れ出す(漏出液)ことにより、胸水や腹水が溜まります。(これは人間でも同じのようです)
TPの値が低い原因は、3つ考えられました。
@肝機能障害により、肝臓でたんぱく質が生成されない
A腎機能障害により、尿にたんぱくが漏れ出す。
B小腸の疾患により、たんぱくが吸収されない
通常、まず@の肝機能障害が考えられるそうです。
血液検査の結果、肝機能・腎機能の低下を示す値は見られません。
獣医先生は、「分からない」と前置きした上で、「頻繁に下痢をしていないのならば、小腸の疾患は有り得ない」「もし肝機能障害であれば、深刻な状態」と仰いました。
・・・【いったい、何の病気なんだろうか・・】 不安は募りました。
【体重の減少】
排便の回数は、明らかに減っていました。 いつもならば、食事(朝晩)の後、排尿・排便はセットです。
トイレでおしっこをする時は、女の子らしく、しゃがんでしてました。
ウンチの時は、前足と後足をくっつくけて、小さな体を振り絞って排便していました。
その姿はなんとも可愛らしく、また、女の子らしく、見られていると恥ずかしいのか、しきりに私を気にしながら、「まったくー、Hっ」ていう感じの顔をしていました。
闘病生活が始まってからというもの、排尿はある(あるどころか、1時間に一回というハイペース)のですが、排便は2〜3日に一回でした。
しかも、下痢まじりではありましたが、大量の立派な「普通の」便でした。
今思えば、この時の下痢に注目しなければならなかったのかもしれません。。
低たんぱく血症ということで、ささみや缶詰などの高たんぱくの食事を与えるようになっていましたので、食べる量は増えているため、お腹は膨らむ一方です。
この時は、「お腹の張りは便秘のせい」と思っていました・・。
排便をする度に、体重がどんどん減って行きます。
発症前は、2.2kgだった体重が、わずか2週間で1.7kgまで減ってしまいました。
食欲も以前ほどではありません。
「原因が分からない」この言葉を、獣医の先生から聞く度に、不安は増していきました。
薬はいろいろと試しました。
最初は、利尿剤と心不全治療薬(エナカルド)。
体重が減ってきてからは、利尿剤をやめて、抗生物質(パセトシン)。
肝機能を快復する薬(ネオファーゲンC)。
それでも経過が良くならないので、ついに、ステロイドと抗生剤・・。
ステロイドの服用量は半端ではありませんでした。
犬用の薬はないのか、人間用の物です。
「プレドニゾロン錠 5mg」を、朝晩1錠ずつ2週間服用しました。
「この子の体重にしては、かなり多い」という話でした。
「ステロイド」という薬は、「絶大な効果はあるが副作用が強い」という印象があったため、自分でも調べました。
今後、副作用が出た時に迅速に対処しなければ・・と思ったからです。
そして・・
【体重の微増加?】
とにかく、「良質なタンパク質を沢山摂らないといけない」状況でした。
タンパク質は、「点滴や注射では補えない」とのこと。
食事療法でTP値を上げていくしかありません。
獣医先生いわく、「ささみが一番良い。他、卵白、牛肉の赤身。炭水化物(白米・パン)。」ということで、近くの大型スーパーで、いつも買う安いささみではなく、「赤鶏」とかいう、無農薬飼料で育てたという鶏のささみを買い込んで、最初は茹でて細かく割き、食べさせました。
今までのドライフードや缶と違って、肉そのものですから、とても喜んで食べました。
多い時には、一度にささみ1本の4/5くらい(約40g)食べました。
体重1.7kgで一度に40gですから、私(60kg)に例えれば、1.4kgの肉を食べた計算になります。(・・満腹だ・・)
便秘が心配でしたが、まずはたんぱくの補給が優先です。
落ちてしまった体重を戻すために、炭水化物も必須です。
妻がおかゆを炊いて、卵白とささみのMIXおかゆを作ってくれました。
これも喜んで食べます!
『これでたんぱくが吸収されて、TP(血漿総タンパク)が上がってくれればいいのだが・・』
「親の心子知らず」・・でしょうか。。
数日後には、気分によって(?)おかゆは食べなくなりました。
ただ、ささみは食べてくれます。
我が家には、50g単位で量れるヘルスメーターがあるので、恐る恐る乙音を載せて体重測定をしてみました。
『1.85kg!!』
ワンダホーな瞬間でした。
わずかですが、体重が戻ってきました。
排便も比較的順調で、毎日「普通の」便をします。
多飲多尿は相変わらずでしたが、調子は悪くなさそうです。
この頃飲んでいた薬は、肝機能改善薬(ネオファーゲンC)でした。
肝臓の薬を飲んでいて調子が良いというのも、手放しでは喜べない複雑な気持ちでしたが・・。
それにしても、原因疾患が分かりません。
通院の度に、血液検査をして肝機能異常を示す項目の検査をしていますが、異常値は顕れません。。
「低たんぱく血症」というのは、それ自体は単独の病気ではなく、症状の総称ですので、低たんぱく血症を引き起こしている「原因疾患」があるのです。
その治療をしないことには、「自然治癒は望めない」という状況です。
「生検(バイオプシ)をしましょう」 獣医先生は仰いました。
生検とは、その名の通り、「生体細胞を切り取って、病理検査をする」というものです。
開腹あるいは内視鏡で、怪しいと思われる臓器を一部取らなければなりません。。
獣医先生に、その危険性を充分確認した上で、お願いすることにしました。
「では、今週は手術が一杯なので、来週月曜日3/27に予定しておきます。」
『これで、原因が分かるから、治る!』
帝王切開の可能性があるからと、妻の提案を押し切り、5歳になるまで頑なに妊娠させることを拒んでいた私でしたが、「原因がわかる=治る」のであれば、乙音を「傷物」にしてしまうことは、仕方ないと思いました。
『お父さんが一生、乙音の面倒を看てやるっ!』 そう思いました。
客観的に見れば、「親バカというか、犬ごときに・・」と思われる方も少なくないでしょう。
我が家にとっては、乙音も春之進も、人間の子供と同じです。
あとは生検の日まで、少しでも体力をつけることが第一です。
一日おきに皮下点滴をして、「その日」を迎える・・・はずでした・・
【まさかの出来事 四肢痙攣】
2006年3月24日 その日は、お昼前に乙音を連れて動物病院へ行きました。
TPの値は2.8まで下がっています。。
3日後に控えた生検に備えるため、皮下点滴で栄養を補って頂きました。
痩せてはいますが、吼えて(滅多に吼えなかった娘です)食事を催促するほど食欲もあり、排便もあって、しかも「普通の」便でした。お腹の張りも、見たところさほどでもありません。
『少し元気がないかなぁ・・』とは思いましたが、とりあえず、問題なさそうでした。
乙音と春之進と、川の字になって昼寝をしました。
(ちなみに、字の通り、左から《春之進》→《乙音》→《私》・・(笑))
・・・・幸せなひと時でした。
16:40
乙音の元気がありません。
お腹が張ってきています。
『腹水?』
少し不安になってきました。
ここ何日か、くしゃみをするようになりました。
かなり激しいくしゃみです。
(獣医の先生に聞いてみましたが、今は何と言われたか覚えてません。「薬のせい」だったような気がします。)
また、両耳を床に擦り付ける仕草をするようになりました。
獣医の先生に診て頂きましたが、「耳には異常なし」とのこと。
この仕草にも「?」がついてしまいました。。
『これもステロイドの副作用なのかなぁ・・』・・と思いました。
ステロイドの副作用は様々です。
・食欲が異常に増進する
・異常にのどが渇く
・免疫抑制により細菌の感染を招く消化性潰瘍(胃潰瘍)をおこす
・無気力、あえぎ症状
・筋肉が虚弱化する
・長期に投与すると副腎の機能が衰える
・糖尿病、白内障を起こす
・皮毛につやがなくなり、脱毛することがある
・骨粗鬆症になる
・・・・・などなどです。
様々な副作用があり、また「体重の割りに、服用量はかなり多い」という状況から、耳を擦り付ける動作は、ステロイドの副作用だと思っていました。
ステロイド服用中は、いつもと違う仕草をすることがあるかもしれませんが、副作用で片付けず、原因を突き止めた方がいいと、今になって思います・・。
4時間後
乙音が部屋の隅に置いてある、屋根付きのベットに入りました。
家族の中では、その姿から「クレードル」(cradle:本来、「ゆりかご」という意味ですが、
アイボが充電しているような感じなので、「乙音充電中」の同義語として使っていました)と呼んでいましたが、そこに入る時は、何か調子が悪い傾向がありました。
覗いてみると、うつろな目をしています・・
『だいじょうぶ?乙音・・』
・・・何か様子が変です!
良く見ると、右後脚が痙攣していました。
急いでクレードルから引っ張り出してみると、右前脚も痙攣し始めました。
以前から犬の病気のサイトを見ていましたので、「痙攣はやがて収まる」と思っていました。
・・・5分経っても痙攣は収まりません。
10分後、今度は四肢全てが痙攣し始めました。。
『やばい・・』
急いでかかりつけの動物病院に電話しました。
しかし、時間は既に21:00。
病院の診察終了時間の19:00は、とっくに過ぎています。
こんな緊急事態になるなんて思ってもいなかったので、夜間の連絡先を聞いていません。
一応、病院に電話してみましたが、何度掛けてもFAXに切り替わってしまいます。。
院長先生が経営する、他の動物病院にも電話しました。
・・・誰もいないのでしょう。
虚しくコール音が続くだけでした。。
i-タウンページで、急患を受け入れてくれる動物病院を探しましたが、ここは地方、そんな都合のいい動物病院はありません。
『・・・・・やばい・・・・・。。』
最悪の事態が脳裏を霞めました・・・
【緊急事態!】
四肢痙攣が始まって10分経ってしまいました。
自力で立ってはいますが、ガクガクです。。肉球が熱を持っていました。
掛かりつけの動物病院の夜間緊急連絡先を聞いていなかったので、どうしたらいいのか・・
体力の無い乙音にとって、この状態は緊急事態です。。
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教訓@
ペットが病気になってしまった場合、
1)今後、痙攣・発作など、緊急症状の起こる可能性を伺っておくこと。
2)夜間・休日の緊急連絡先を伺っておくこと。
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「K先生に電話してみる」 妻が言いました。
K先生は、結婚前に妻が猫を診て頂いた先生で、とても親切にして下さった方です。
「すぐ連れておいで」
K先生は21時過ぎにもかかわらず、そう言って下さったそうです。
救いの神とはこのことでしょう。
K先生の病院まで、自宅から車で15分余り。
妻が乙音を抱きかかえ、私は車を走らせました。
その間も痙攣は止まりません。
15分という時間が、とても長く感じました。
9:40pm
K先生の動物病院に到着。
『ん?』 K先生、顔が赤い気が・・(酔っ払ってる・・?)
乙音を診察台の上に載せ、診察を待ちます。
「どれ、んー・・・」
K先生、腕組みをして唸ったまま、乙音を見つめます。
「んー・・・・・」
(早く診察して下さい。。。)心の中で叫びます。
「腹水が溜まるってことは、いいか、末期症状だよ」
腹水=末期症状というのは知っていました。
けれど、腹水は前から溜まっていますし、今までの経緯から、それほど溜まっている感じはしません。
乙音の場合、「低たんぱく血症」を起こしているので、胸水・腹水はそのせいですから、乙音の治癒を信じている私達にとって、「腹水=末期症状」なんてことは、信じたくありませんでした。
心音が弱いということと、(私達の話から)K先生の見立てでも肝機能障害だろうということで、強心剤と肝機能改善薬を皮下注射して頂きました。
「いいか、充分診てやったんだから、自分達を責めるんじゃないぞ」
帰り際、K先生は私達を気遣って、そう仰いました。
先生にお礼を言って、車に乗り込み自宅へ向かいます。
処置して頂いたので、気は楽になりましたが、痙攣が収まった訳ではありません。
依然、四肢の痙攣は続いています。・・不安でした。
・・・・不安は的中してしまいました。
ロト6はかすりもしないくせに、悪いことは的中します。。
そろそろ自宅に到着するというところで、急に乙音が嘔吐しだしました。
一回、二回、そして三回目・・・
『つ、つくねぇーーーー!』
妻の叫びに、運転していた私も思わずわき見して乙音を見ました。
この時の乙音の顔は、今でも脳裏に鮮明に残っています。
目は大きく剥き出し、口は裂けるのではないかと思うくらい大きく開き、その形相は地獄のものでした・・。(東大寺南大門 金剛力士立像阿形みたいな感じ)
痙攣が止まっています。
瞬きをしません。
瞳孔が開いているように見えました。。
『乙音が死んじゃった・・・』 私も妻も、そう思いました。。
K先生に心臓が弱ってると言われていたので、直感的に心臓発作を起こしたのだと思いました。
『嘘だろ・・・』 道路脇に車を止め、妻が泣きながら『抱いてあげて・・』と言います。
あまりの突然の出来事に、私は何が起こっているのか、頭が混乱していました。
乙音を抱きかかえ、顔を見ました。
『・・・ん・・・』 一瞬、瞬きをしたように見えました。
急いでルームランプを点け、も一度乙音の顔を覗いてみました。
瞬きしています!
『生きてるよっ!』 妻と私は叫びました。
乙音は死んではいませんでした。
何がどうなっているのかは分かりませんでしたが、とにかく痙攣も収まり、呼吸をしています。
落ち着いてから気付きましたが、この時の乙音の顔は、先ほどの地獄顔ではなく、穏やかな顔でしたので(顔が変わっていた)、死んだわけがありません。
あと、失禁しているのが分かりました。
一度飛び出た心臓を元に戻して、家へと急ぎました。
自宅に着いてから、リビングにベット(人間用の綿枕が丁度いい大きさだったので、タオルを敷いてベットとして代用)を用意し、寝かせました。
『やれやれ・・。驚かすなよ、乙音・・。』 そう声を掛けた瞬間、また痙攣が始まりました。
今度も四肢全て痙攣しています。
もう、対処のしようがありません。。。
妻と二人、ただ乙音の頭を撫でてやって、励ますことしか出来ません。
2006年3月25日(土) 2:40am
自宅に戻ってからの痙攣は、2時間に及んでいます。かなりの体力の消耗でしょう・・。
寝ていた乙音が急に起き出して、トイレによろよろ歩き出しました。トイレまでの距離は約4m。
『ここで、おしっこしていいんだよ』 そう声を掛けても、トイレを仕付けられた娘はお利口でした。
排尿したとたん、なんと痙攣が収まりました!
水を飲んで、自力でベットに入り、横になって寝始めます。
肉球を触ると熱が引いてきているのが分かりました。
先ほどの車中でもそうですが、排尿すると痙攣が止まるようです。
排尿することで、何か毒素が排出されるのか、何がどうなっているのか分かりません。
とにかく痙攣が収まったことで一安心です。
その後、30分おきに、〔排尿→水を飲む〕を繰り返しました。まるで、毒素を自分で排出しているかの様です。足に力はありますが、歩くとまだフラフラしています。
5:00am
寝ていた乙音が急に痙攣し始めました。
落ち着いてきたので安心し、妻も私もウトウトしていた時でした。
四肢を突っぱねて、首を大きく後ろに反らし、失禁しました。
今回も失禁後、痙攣は収まりました。
一晩で2回の痙攣と失禁。これはかなりの体力を消耗してしまったはずです。
生検を2日後に控えているというのに、何という不幸なことでしょう・・・。
その後、〔排尿→水を飲む〕行動は1時間おきになり、歩く足取りもしっかりしてきました。
8:40am
何か食べたそうだったので、ささみをあげると、1本の1/4位食べました。
他、牛乳を15ml位飲みました。
9:15
掛かりつけの動物病院に到着。早速、血液検査。
痙攣の原因は、私達にとって意外なものでした・・。
【どうなるの?】
血液検査の結果、昨夜からの痙攣の原因が分かりました。(たぶんということですが・・)
「低カルシウム血症」「低血糖」ではないかということでした。
正常の犬の血清カルシウムは、9〜11mg/dlですが、乙音の場合、3.8しかありませんでした。
また、血糖値も低い(数値は聞いてなかった・・)とのこと。
これで、
〔低たんぱく血症〕+〔低Ca血症〕+〔低血糖〕・・と、「低い」数字が3つも並んでしまいました。。
この頃飲ませていた薬(ネオファーゲンC)にも、「四肢痙攣」の副作用があることが、後々調べて分かりました。
〔↑乙音2歳頃、タバコとの大きさ比較の図〕
問題の「生検」について、先生に尋ねたところ、「体力が落ちてしまったので、回復するまで延ばしましょう。」・・という、予想していたお答えを頂きました。。
これでまた、原因疾患の解明が先送りになってしまいました。。。
初めて痙攣を起こした3/24の晩から、妻と24時間体制での看護が始まりました。
それと、生検が出来なくなったため、少しでも家での状況を先生にお伝えすることで、「原因疾患を特定するために役立つかも」と思い、ノートに時系列で行動を記録することにしました。
今思えば、何故もっと早くから記録しておかなかったのか・・、と後悔しています。
犬は、皆さんご存知の通り、1年が人間の4年に相当すると言われています。
つまり、単純に、「犬の1ヶ月は、人間の4ヶ月に相当する」ということで、発症から3/24までの1ヶ月間が勝負だったのだと思っています。
しかしながら、その1ヶ月の「記録」が無く、「記憶」しかありません。
人間の「記憶」とはあいまいなもので、発症からの「記録」を逐一、先生にお見せしていれば、もっと早い対処が出来たのかもしれません。
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教訓A
・何かおかしな症状・行動があった場合は、その時間と内容、前後の行動を記録しておくこと。
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後日、「低Ca血症・低血糖」、これが「耳を床に擦り付ける」仕草の原因だったことが分かりました。「耳が痒い」からではなく、「頭が痛い」だったのでしょう。。
現に、「耳を床に擦り付ける」仕草をした後、痙攣は起きています。
痙攣の前兆行動だということが分かり、痙攣を防ぐ処置をしてあげれそうでした。
低Ca血症の改善手段として、自宅でCa製剤を皮下注射することになりました。
「記録」していないのでうろ覚えですが、3/24以前からステロイドの服用をしていたと思います。
薬(錠剤)は、食欲旺盛なときは、ご飯に混ぜれば食べてくれますが、あまり食欲のない時に同じことをすると、上手に薬だけ吐き出してしまいました。喉の奥に無理やり押し込んでも、舌を上手に使って出してしまいます・・。(器用なことで・・)
その場合は、ステロイド液剤を皮下注射することになりました。また、ステロイドは胃を荒らすので、胃薬もセットで服用(これは粉末を水に溶かしてスポイトで飲ませる)していました。
2度の痙攣、低Ca血症・低血糖によって、一度戻ってきた体重は減り、またも1.7kgを切る状態になってしまいました。。
食欲が無いことも多く、「ニュートリカル」なる、「高カロリー・ビタミン・ミネラルサプリメント(ペースト状のもの)を舐めさせて、何とか栄養を吸収させることになりました。
・・ここからは、記録するのも辛い日々が待っていました。。。
【腸リンパ管拡張?】
「乙音の低タンパク血症の原因疾患は、いったい何なんだろう・・・」
3月の初旬に、「低タンパク血症」と診断され、「原因が分からない」ということで、非常に心配になり、独自に調べてみました。
低タンパク血症の原因は3つあります。そして、それぞれの原因に病気がいくつもあります。
低タンパク血症の原因疾患を特定するには、
1)血液検査
2)超音波(エコー)診断
3)レントゲン(胸部:心臓疾患の場合、腹部:肝臓・腎臓・小腸の場合)
4)糞便検査
5)尿検査
6)内視鏡
7)生検(バイオプシ) ・・・などの検査があるようです。
乙音の場合、1)〜3)の検査で原因疾患が分からず、7)の生検をすることになっていました。
動物の場合は、人間と違って、まだまだ病気に関するデータベースが不足していると思います。また、獣医師の経験、検査機器の精度にも、かなりのレベルの差があると思います。
私も、今までに掛かりつけの動物病院を3回変えています。
今の担当獣医さんは、こちらから聞かなくても、治療の説明(インフォームドコンセント)もして下さいますし、飼い主の側に立って治療して頂いています。
ただ、獣医先生も仰っていましたが、小さな開業医では、「設備や人員に制限や格差がある」のは否めません。「病院を選び、納得できなければ、より設備の整った大学病院などへ行く」必要もあるのかもしれません。
大学病院には、CTやMRIがあります。全身麻酔が掛けられる状態であれば、CTやMRIの検査が受けられ、手遅れにならないうちに病気が分かるかもしれません。(但し、それだけで一回5〜6万程度の費用がかかるようです・・)
【対症療法】
原因疾患がすぐに特定できない場合、今現在顕れている症状を緩和して、「様子を見る」という、【対症療法】を行うことが多いようです。「薬の利き具合から病気を判断」したり、検査に耐えれない状態だった時、「検査を行えるまで回復させる」ことを目的とした治療です。何れにしても、原因がはっきりしない上での治療ですので、対症療法の間、病気が進行する可能性があります。
動物の病気は、「驚くほど進行が早い」と実感しています。
「何か行動が変・・」とか「嘔吐」「下痢・便秘」「眼が白い・赤い」など、普段と違う症状がある時。それと、「水を良く飲み排尿回数が多い→多飲多尿」が見られる場合(この場合は特に)、すぐに病院へ連れていって、原因が分かるまで検査することをお勧めします。
参考までに→「動物病院の賢い選び方」
乙音の低タンパク血症の原因は、Webで調べたところ、『「腸リンパ管拡張」ではないだろうか・・』と、思いました。
上のリンクに書いてある通り、症状が似ています。また、ヨークシャーテリアに多い病気のようです。ただ、乙音の場合、下痢・軟便はほとんどしません。
発症から2週間経った頃、獣医先生に、「腸リンパの病気の疑いはないですか?」と聞いたことがあります。先生は、「腸の疾患ならば、下痢がひどい」と仰いました。結局、大学病院で「小腸の疾患」と分かるまで、便の検査はしませんでした。
私は、「肝臓や腎臓などの臓器の病気より、腸の病気の方が助かる可能性が高い」と思っており、何とか腸の病気であることを願っていました。
やがてステロイドを多量に服用したことを見ると、獣医先生も「どこかに炎症がある」と思ってられたと思います。ただ、「腸の病気」は「頻繁に下痢をしない」ことで否定されました。。
私は、けして獣医先生を責めるつもりはなく、「疑わしいことは徹底的に調べる」姿勢が私になかったことを悔やんでいます。。勉強不足もありますが、下痢以外の症状は合致しており、下痢ではありませんが、発症時から「便秘」だったこと、つまり、腸に直接か間接かは分かりませんが、何かしらの「不具合」があったことは確かでした。
「先生がそう仰るなら・・」と諦めず、飼い主が納得できないことは、「納得するまで調べてもらう」という姿勢がなければならないと、今更ながらに思います。
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教訓B
・少しでも疑わしいことは、それが除外されるまで調べて頂くこと。
・飼い主自身も勉強すること。
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もちろん、「早めに腸の検査をしていれば・・」と、思ったことはあります。
セカンドオピニオンとして、web上で症状を投稿して、他の獣医先生のご意見を伺ったこともあります。その時は「たぶん、肝機能障害・・。詳しく検査して除外診断するしかない」というお話でした。掛かりつけの動物病院には、獣医師は2人いらっしゃいます。延べ3人の先生が、「肝機能障害」を疑っていました。
大学病院で「小腸の疾患」と判明したとは言え、結局はどんな病気だったかは分かりませんでした。私が素人考えで「腸リンパ管拡張」という疑いを持ったに過ぎません。
初期の段階で大学病院で検査しても、果たして同じ所見だったかは分かりません。また、助かる病気だったかも分かりません。
結果論でものを言っても、乙音が返ってくる訳ではありません・・・。
ちょっとした検査をするのも、動物の場合、高額です。獣医師の「無駄な検査はしない」という姿勢も、飼い主に配慮してのことだと思います。ただ、「絶対助かってっ!」と思うのであれば、乙音のような「原因が分からない」という場合は特に、設備の整った大学病院などで、早急に検査することをお勧めします。
【嘔吐再発】
この日は朝から食欲がありません。
夜中0:25に、ささみを5gくらい食べただけで、いつもの朝食時間(9時頃)になってご飯をあげても、匂いを嗅いで「いらなーい」と向こうへ歩いて行ってしまいます。。
「昨日はたくさん食べたからなぁ」と思って、薬(ステロイド)だけ飲ませて少し様子を見ました。
ステロイドを飲ませて2時間後、何か食べたそうにしています。
『よし、よし』 食欲が出たことに私は嬉しくなって、赤鶏のささみをレンジでチンして細かく裂き、冷ましながら乙音に食べさせました。
美味しそうに食べてくれます(笑)
やっぱり、食いしん坊の乙音は、食べている時がいちばん乙音っぽい(笑)
20gほど食べて満腹になったご様子。
トイレに歩いて行き、おしっこしてベットに入りました。(おりこうさん!)
ちなみに、乙音の毎日の摂取カロリーの目標は、120kcal以上。
<参考:犬の(必要摂取)カロリー計算)>
ささみは、76g=80kcal(「80kcal食品ポケットガイド:主婦の友社刊」による)。
普通の大きさのささみは、1本=約40gなので、ささみだけで摂ろうとすると、一日3本(120g)ものささみを食べなくてはならず、これはいくらなんでも無理・・。
けれど、ささみは重量比で、約25%がタンパク質なので、低タンパク血症のつくねには最適な食材でした。
参考までに→〔グリコ 栄養成分ナビゲーター〕
乙音が食べている間、横で春之進が「ぼくにも・・・ぼくにもくれワーン。。」と、懇願していました。
「春くんはさっきご飯食べたでしょ」と言いながら、乙音の邪魔をしないように足でガードしていましたが、乙音がベットに入るや否や、「くれっ、くれっ!」(笑)
ま、春之進も欲しがるのを見越して、朝食を少なめにあげてたので、ささみを3口分だけあげました。
乙音はたくさん食べなきゃいけないし、春之進は糖尿病だからカロリーの摂り過ぎは厳禁だし、両極端の2人を抱えて、おとうさんもおかあさんも困りますよ・・。「春之進がストレスを感じないように」という点には、できるだけ気を遣っていたつもりでしたが、「どうせ、ぼくは可愛くないさ・・」みたいな顔をしてフテ寝することがあって、病気の子の多頭飼いの難しさを実感しました。
12:15にささみを5g食べた後、寝てくれました。
3/24の夜に突然痙攣を起こしてから、24時間体制で記録を付けていたので、寝不足や心労で、私達も疲れていました。
『少し寝ようかな・・』
13:35
水を飲みに歩き出した乙音を見ると、何かフラフラしています・・。。元気もない・・。
Caの注射は、あまり頻繁にしない方がいいということだったので、一応、低血糖対策として砂糖水をスポイトで飲ませると、まーゴクゴク飲みます(微笑) 結局、スポイトに入れた砂糖水20mlを飲み干しました。
14:30
両耳を床に擦り付け始めました・・。
『痙攣起こすのか。。。?』
数分後、排尿。
じっと我慢して、乙音の様子を伺います。
その後、30分おきに排尿+飲水。
16:00
排尿+水。また少しフラつき始めました・・。
部屋の中をうろうろして落ち着きがない・・。
『そろそろやばいなぁ・・』 と思い、獣医先生に電話しました。
「様子見でいいと思いますけどね。夜になっても同じ感じなら注射して下さい。」・・とのこと。
大丈夫・・なのか??
17:00〜20:30
およそ45分間隔で、排尿と飲水を繰り返す。
耳を床に擦り付ける動作は止まりました。
とりあえず、ベットで寝ています。
21:00
待望の「排便」! 3cm×2 普通の便でした。
水を飲んで、ベットで寝ます。
21:40
おしっこに立ち上がったところで、食欲チェック。 ・・だめ。。あ、そっ。。
ステロイドを飲ませないといけない時間なので、錠剤を砕いて粉にして水で溶き、スポイトに入れて飲ませます。(錠剤のままでは飲んでくれないので)
22:15
立ち上がったので、『おしっこか・・』 と思った矢先、歩く方向が違います。
トイレではなく、部屋の隅に向かって歩き出しました。
『もしや・・』 と思った瞬間、嘔吐! この時は水(透明)でした。
白くなかったので、さっき飲ませたステロイドではない様子(たぶん)。
嘔吐は1回で終り、ベットに入って寝ます。
22:30
また立ち上がって、今度はトイレの方向へ向かいます。
時間的にもトイレだろうと思っていたら、フェイントで嘔吐!
今度は、さっきと同じく水っぽいのですが、白い。。
『あ"〜、すてろいどかぁ〜』
吐いたらすっきりしたらしく、30分後に排尿するまでご就寝。
ステロイドが吐き出されてしまったのは確かのようですが、どのくらい吸収したのか分からない以上、追加で飲ませるわけにもいかず。。
副作用の強い薬なので、分量には注意です。
23:50 飲水
発症からの1ヶ月、記録がないので記憶を辿ると、嘔吐したのは発症の頃に数日だけだったと思います。(嘔吐と便秘が発症時の症状でした)
また嘔吐をしたことで、乙音の病状に新たな変化があったのかもしれないと思いました。。
・・・残念ながら、私は、悪いことには予知能力に長けているようです。。
【闘病34日目】
前日の2回の嘔吐が気になりました。
獣医先生には、「次は2〜3日様子をみて連れて来て下さい」と言われていたので、しばらく様子を見ることにしました。
この時の治療は、「対症療法」で、原因疾患を特定するための生検が受けられるよう、体力の回復を目的としていました。
乙音の体力を回復させるためには、
@良質のタンパク質を摂る。
(ささみ、卵白、牛肉の赤身、処方食'セレクトプロテイン'など)
A下痢をしないこと
B嘔吐をしないこと
Cよく休ませること ・・・・・これらが必須でした。
下痢・嘔吐は、見て明らかに分かるくらい、かなりの体力の消耗と、栄養の喪失を意味します。
今までの経過では、下痢や嘔吐の回数は少なく、@Cに気を遣っているだけで良かったのですが・・・。 嘔吐を始めたことで、今までよりも、少しの状態の変化にも目を光らせなければなりません。。
幸い、私は2年前から独立して、主に自宅で仕事をしており、また妻もフリーの仕事をしていますので、家を空ける時間は少なくて済みました。
2年前までの私は、朝仕事に出掛けたら、その日のうちに帰って来れることは殆どなく、家には寝に帰る状態で、1日24時間のうち自宅にいる時間は僅か4〜5時間がいいところでしたので、その時にこんな状態だったら、全てを妻に任せ、妻が仕事の時は、病に伏せる乙音を、糖尿病で目の見えない春之進に託すしかなかった。。
闘病中のペットを残し、出来ることなら一緒にいてあげたいという気持ちを堪えながら、仕事に出掛けなければならない方が多い中、その点は幸せだったと思います。
嘔吐の後、2時間くらいは調子が悪そうでした。
その後、食欲チェック(鼻先にささみを差し出す)をしてみたところ、パックリ(笑)
そうか、そうかと喜んで食べさせました。
何しろ食べて栄養を補わないことにはどうにもなりません。。
しかしながら、食べても食べなくても、定時の体重測定に変化はなく、ど うなっているのか分かりません。。
〔←私の脇腹の上で極楽状態の乙音。乙音のお気に入りの場所でした。。〕
体重は1.7kgをキープしていました。これ以上の減量は、それだけで命取りです・・
乙音の体長は30cm強くらいで、片手の平に座らせて「手乗り犬」とか言っていたくらいです。
トリミングに行く前に発症してしまったため、体毛が長くボサボサだったのでまだ見れましたが、背骨、あばら、そして足の指の骨が浮き出ていて、「骨と皮とはこういうことを言うのかな・・」という状態でした。。今までの肉の感じがなく、特に抱っこする時がとても辛かった。。
骨に何かあってはいけないので、抱っこする時はタオルで乙音を包んで、タオルごと抱っこするようになりました。
私の腕にはタオルの感触しかなく、乙音の温もりを感じることができません・・。。
発症前は2.2kgあって、「ちょっと太り過ぎなんじゃないの?」と、レディーに対して暴言吐きまくりの私でしたが、痩せてればいいってものじゃないですね・・。
その後、30分〜1時間間隔で、排尿+飲水。
4:00
排便がありましたっ! しかも今回は細めではありましたが、なんと全長15cmはあろうかという一本物(笑)。この時も「普通の」うんちでした。
30cmあまりの体長の乙音が、この病状で15cmの一本物を排泄することに感動!しました。
この時のメモには思わず書きなぐった[wonderful!]の文字が!(笑)
(そのくらい、私はうんちを心配していました。)
先生が仰るように「腸の疾患ではないのかな・・」と思うくらい、「普通の」便でした。
おしっこの色・量・匂いの観察と同時に、うんちについても観察していました。
(※お食事中の方には失礼します・・)
うんちをティッシュで取り上げ、色を見て、匂いを嗅ぎ、うんちを割って中の状態を観察します。(ワインのtastingの要領)
仮にうんちに血が付いている場合、
・表面に血が付く場合→大腸〜肛門までの疾患(鮮血)
・中に血が混じる場合→胃(血が黒い)〜小腸までの疾患
・・という、およその判断ができるそうなので、味見をしろとは言いませんが、見た目だけでなく中の観察も必要です。特に、うんちの中に血が混じる場合は、見た目の観察だけでは気が付かない場合がありますので要注意です。
その後、かなりすっきりした様子で元気も良く、いい感じに見えました・・・。
8:30
トイレ方向に向かって歩いた乙音が立ち止まり、痩せ細った体を大きく動かし、嘔吐しました。。
それも続けて2回・・・。
吐いた物はほぼ水でしたが、茶色っぽいものがマーブル模様で少量混じっていました。
私は急いで床に鼻を近付け、匂いを嗅ぎました。血が混じっていたら大変です!
幸い、私の嗅覚では血の匂いは感じません。
おそらく、食べたものが少し混じったのだと判断、乙音もベットへ戻って寝たので、とりあえずステロイドを飲ませ、様子を見ました。
1時間おきに排尿+飲水。
11:00
飲水を見計らって食欲チェック。 ・・・・。 あ、そう。。
11:30
再び嘔吐。。今回は黄色っぽい。『胃液?』
※後で調べたら「胆汁」のようでした。。
-------------------------------------
《嘔吐した液体の色と液体の正体》
黄色・・・胆汁
透明〜白濁・・・胃液と十二指腸液
黒褐色・・・血。(黒色の場合もあり)
-------------------------------------
その後、少し食欲も戻り、処方食のセレクトプロテイン缶を計30g程度食べ、
45分〜1時間おきの排尿と飲水を繰り返しました。
20:10
排便! ・・・ぉ。。 黒い・・。。
3cmくらいで、硬さは普通ですが、表面全体がやや黒っぽいうんちでした。
割ってみると中は普通の色。
鮮やかな赤ではないので、よく分かりません。。
匂いは、やや血の匂いがします。。
『あした先生に聞いてみよう・・』 そう思って片付けていると、
ベットに戻ったはずの乙音が何やら、うろうろしている気配。
ここからは、壮絶でした。。
20:15 嘔吐 夕方食べた物(形そのまま)を吐く。(食べた量の半分くらい)
20:45 嘔吐 消化したもの
20:50 嘔吐 夕方食べた物(形そのまま)を吐く。
21:00 嘔吐 消化したもの
21:08 嘔吐 水っぽい(やや白い)
21:10 嘔吐 透明(水?)
わずか1時間足らずの間に6回も嘔吐してしまいました。。
嘔吐の最中に心配して乙音に近づくと、乙音は私から離れようとするので、
かえって乙音の体力を奪うため、遠巻きに見ているしかありませんでした・・・。
時間は21時を回っています・・。
『先生に診て頂かないと・・』 と、支度を始めたら、当の本人、ベットに入って寝ています。だるそうな感じではありましたが、すやすや寝息をたてていました。
夜間に先生の自宅に電話して診てもらうことに、少なからず抵抗がありました。
夜間は、いつも診察して頂いている先生とは違います。
先生と私の、コミュニケーション不足もあります。。
とりあえず安定したようなので、電話するのは止めて、
乙音に寄り添って朝を迎えることにしました。
【闘病35日目】
〔↑お気に入りの出窓で日向ぼっこ中の乙音。半寝ぼけ・・〕
前夜、1時間足らずの間に6回も嘔吐した乙音・・。
その後、どうなってしまうのか、寝るに寝れず、ただ乙音の頭を撫でて顔を眺めて朝を迎えました。
仕事柄、たまに徹夜することもあり、夜が白々と明けてくる場面は好きな方です。
乙音が最初に痙攣を起こした3/24以来、夜明けを何度見たことでしょう・・。
明るくなって、いつもホッとしました。
「また痙攣や嘔吐が起きて、容態が急変するかもしれない・・」という不安を抱えて暗い夜を過ごすのは、寝不足の体には結構なストレスでした。
真夜中だと、掛かりつけの病院も開いていないし、自宅周辺には夜間急患を受け入れている救急動物病院もありません。。
人間なら、まだ救急車が呼べるし、救急センターで治療もできます。
世間では「モノ」扱いの動物には、そんなことは望めませんし。。
陽が射してきた4:30過ぎになっても、乙音の容態は安定していました。
お決まりの、飲水+排尿の間隔は1.5〜2時間おきで、良く寝れたようです。
7:30 水を飲んで排便あり。
このときも「普通の」便です。
ただ、食欲は無い様子。
何が哀しいって、「ご飯食べる?」って差し出したささみを、
匂いも嗅がずに「いらなーい・・」って顔を真横に振られたとき。。
食欲ないのも仕方ないけど、「ごはん」「たべる」という言葉に、
発症前は、過剰なまでに反応していた乙音の姿が今は無く・・・。
10:00 通院。
TP=2.8、Ca3.1
昨夜の嘔吐、「ステロイドで胃が荒れてるかも」とのこと。
低血糖もありそうなので、Caとブドウ糖を皮下注射して頂く。
いつもそうだけど、先生の前では調子悪いところを見せない乙音・・。
帰宅後、ささみをほんの少し食べてくれましたが、食欲はない・・。
砂糖水をスポイトで少し飲ませました。
念のため、ニュートリカルも小豆大舐めさせると、ベットに入ってご就寝。
12:05 下痢・・・。。
食べてないし、嘔吐したせいか、ほんの僅か(5滴)ちびった。
ニュートリカルの匂いがするのは、何故??
その後、安定して寝てたので、安心していたら、私達も知らずに昼寝していました。。
17:00 春之進お決まりの「クーン、クーン・・」という、
情けない甘え声でのご飯の催促で目が覚める。
妻お手製の「牛ミンチ+豆腐のハンバーグ」を20gくらい食べる。
ステロイドと抗生剤、胃薬を飲ませる。
1〜2時間おきの飲水+排尿で起きる以外、ベットでよく寝ていました。
23:15 乙音スペシャルハンバーグを20gほど食べて寝る。
この日はとりあえず何事もなく過ぎました。
食欲がないのが気になります。。
発症前の乙音の食欲はかなり旺盛でした。
私は妻の就寝後に仕事を始めることも多かった(集中できるので。失礼→妻)ので、
小腹が空いて、「何か食べるものないかな・・」と、キッチンで少し「ガサッ」という音を立てただけで、1階で妻と寝ているはずの乙音の「ダッ、ダッ、ダッ・・・」という、階段を駆け上がってくる足音が。。(苦笑)
「あたちにも、ちょーだいっ」 という、もう、これ以上できないっていうほどの「可愛い顔」で、私の顔を見つめたものでした(笑)。
「ダメーっ!」って言うと、今度は、これ以上できないっていうほどの「哀しい顔」をしました。
親ばかの私は、「おかあさんには内緒だゾ」と言いながら、乙音が食べれるようなものをあげるのですが、
「つくね、おとーさんと同じものが食べたい」
と言っているかのように、私を左前脚で「堀り」ました(笑)
仕方ないので、ほんの少し、パンや野菜などを分けてあげました。
今、独りで夜中にガサガサやっても、「ダッ、ダッ、ダッ・・・」という音は聞こえてきません。。
そんな「くいしんぼ」の乙音が食欲ないなんて、これは由々しき事態です・・・
【闘病36日目】
2006/3/31 発症から36日目
この日は、朝から全く食べません。。
食べない時は、ニュートリカルを舐めさせて、栄養補給をしていました。
ニュートリカルは、「成犬が病気や体力の低下時に必要とするビタミン・ミネラル等を充分含んでいるとともにカロリー供給源としてお使い下さい」と書かれている通り、闘病中の乙音には最適なものでした。最初のうちは匂いが独特なせいか、喜んで舐めなかったのですが、慣れたのか、それとも「栄養摂らなきゃ」という本能なのか、これは最期まで舐めてくれました。
飲水+排尿は、1〜1.5時間ごとでした。
「今日も何事も無く終わればいいなぁ・・」 なんて希望は儚く・・
15:00 嘔吐。。
水っぽい感じ
19:00〜 水を飲まない⇒これは?!
フラフラしている
両耳を床に擦り付ける
歯が抜ける・・
19時過ぎてから、この状態です。。 診察時間、終わっちゃったんですけど・・。
痙攣の前兆のようなので、Caを打つか迷いました。
食べていないので、Caが足りないのか、低血糖なのか判断つきません。
砂糖水を飲ませて、少し様子をみてみることにしました。
・・少し落ち着いた様子だったので、「低血糖だろう」という判断をし、もう少し砂糖水を飲ませます。
21:00 またもフラフラ・・・
ステロイド錠剤を粉にして、水に溶かして飲ませる
(抗生剤+胃薬も)
22:00 状態安定、良く寝ている
その後、何事もなく日付が変わりました。
ステロイドを飲ませて安定するってことは、やはりどこかに炎症があるのでしょうか・・。
Caの低下・低血糖と、ステロイドの作用に、何か関係がありそうです。
歯が抜けたのにはビックリしました。
「何か出てきたな・・」とは思ったのですが、食べカスかと思っていました。
少し歯石が溜まっていたので、歯が弱っていたのかもしれません。。
日々、状態が良くありません。。
痙攣はしないものの、嘔吐したり、食欲がなかったり・・。
この時は、「TPの値を上げて、体力つけて、生検ができるように」ということしか頭にありませんでした。。
「生検しないと、原因疾患が判らない。手段はそれしかない!」・・と。
痩せ細り、食欲もなく、調子の悪そうな乙音を見ながら、何とも言えない「嫌な予感」がしていました。。
【闘病37日目】
2006/4/1 闘病37日目
大事もなく、無事日付が変わりましたが、調子は良くなさそうです。。
0:30 排尿+飲水(スポイト) 歩くと少しよろける
ニュートリカル 小豆大×3
2:15 飲水+排尿
真直ぐ歩けない、くしゃみをする、耳を床に擦り付ける・・
「きたか・・」 と思いました。
砂糖水を飲ませて様子を見ます。
食欲チェック・・ (頼む、食べて・・) ・・・。だめなのね。。
唯一、口にしてくれるニュートリカルも、小豆大×1、終了・・・。
その後、2時間寝てくれました。どうやら収まったようです。
4:30 排尿+飲水
7:00 〃
9:00 〃
9:30 ドライフード(15g)、飲水
ステロイド、抗生剤
結構寝たせいか、元気を取り戻してきたようです。
ドライフード15gは、健康な時(12g)より多い量でした。
ドライフードですが、飼い始めの2年位は「ペディグリーチャム」などの市販品を与えていました。その後、春之進がアトピーになり、食餌に気を遣わないといけなかったので、いろいろと調べた結果、それからずっと「TLCドックフード」にしています。(直リンク禁止なので、興味のある方は検索してご覧下さい)
ペットフードに使われている原料の安全性について、かなり疑わしいものもあると思います。特に「牛肉・鶏肉」など肉類は、狂牛病系だったり、暗い鶏舎の中で散々卵を産ませて、死に掛けた(または死んだ)鶏の肉だったりする、という噂も耳にします。(※確証はありません。噂です。)人間用の食品には、細かい添加物の表示が義務付けられていますが、「ペットフードには義務はない」という話も耳にしました。
・・・・結果が全て。
春之進は、以前はアトピーなどのアレルギー疾患をたまたま患っていましたが、このTLCドックフードに変えてから、薬を飲まずともピタリと症状がなくなりました。
高いですし、獣医師も知らなかったくらい知名度が低いので、これが一番いいとは言えませんが、ペットの健康管理にはペットフード選びも重要だと実感しました。
話を戻して・・
10:30 通院 TP=2.8、Ca3.5、Ca+ブドウ糖など皮下注射
11:10 飲水+排尿
12:30 〃
12:45 特製ハンバーグ(牛肉、ささみ、豆腐) 20g
13:30 おかゆ(ささみ入り)20g
病院で、Caとブドウ糖などを皮下注射して頂いたお陰で、食欲がありました。
昨日は殆ど食べていないので、沢山食べてくれて安心しました。
TP・Caの数値は相変わらず低いままですが、下げ止まりの感じもありました。
13:30〜18:30
排尿+飲水は1〜1.5時間置き
しっかり歩けている
19:15 飲水+排尿、そして排便! 普通、5cmくらい
2日振りの排便です。「普通の」便です。色も普通で安心しました。
20:00 排尿
21:00 おかゆ(25g)、ニュートリカル小豆大×1
食欲あり、まあまあ元気
21:15 排尿
21:50 飲水
23:00 排尿+飲水
この日は、朝は調子が悪そうでしたが、嘔吐や痙攣することもなく無事過ごせた方でした。
TPやCaの数値も安定している気もします。
体重は依然1.7kgのまま・・。 「骨と皮」の状態は改善されません。
『いったい、いつになったら生検できるんだろう・・』
嘔吐や痙攣を起こしていなくても、TPやCaの数値が安定していても、乙音は確実に病魔に蝕まれているのが感じ取れます。。
それでも、「生検しないと原因疾患の特定が出来ず、効果的な治療ができない」という現実の前では、体力の回復とTP値の上昇を願うしかありません・・。
『こんな状態が長く続いたら、乙音だって頑張り切れないんじゃないのだろうか・・』
自分のタンパク質や肉を、「できることなら乙音にあげたい・・」と思いました。
私は今まで大病せず(白血病の誤診は別として)、大怪我することもなく、入院したこともないほど健康に生きてこれましたので、おそらくどの臓器も正常だと思います。「生体肝移植」のように、乙音の悪い臓器を自分の良い臓器に替えてあげれるものなら、すぐにでも差し出したいと思いました。。
原因疾患が分からないもどかしさ、自分では何の治療もしてあげれない失望感・・。
そんな精神状態と慢性的な寝不足で、毎日を過ごしていました。。
【闘病38日目】
前日は、朝は調子が悪そうでしたが、嘔吐や痙攣することもなく無事過ごせた方でした。TP(血漿総タンパク)やCaの数値も安定している気もします。
体重は依然1.7kgのまま・・。 「骨と皮」の状態は改善されません。
0:50 飲水+排尿
〜6:30 〔排尿〕×3、排便(普通、8cm)
0:50の飲水と排尿を確認してから、6:30まで寝てしまいました。。
乙音が最初に四肢痙攣を起こした3/24の晩から、私と妻は24時間体制で乙音の行動を注視しており、乙音は1時間前後のサイクルで飲水や排尿のために動くため、この一週間まともに寝ていませんでした。。この日は朝から妻は仕事だったため、妻には「私が乙音を看てるから」と、寝室で寝かせたものの、私は睡魔に負けて不覚にも5時間半も爆睡してしまいました。。幸い何事もなかったようで、乙音は私のすぐ傍で寝ています。トイレをチェックすると、乙音のおしっこが3ヶ所(春之進と乙音のおしっこの見分けができるようになっていました)、それと、うんちが一つありました。おしっこと同じで、便も見分けが付くので、すぐに乙音のものだと分かりました。便の見た目は何も怪しくはなかったのですが、念のためうんちチェックをし、問題ないことを確認します。
「普通の」便でした。まずはホッとしました。
8:00 飲水+排尿
8:30 ドライフード(TLC)5粒、牛肉ごはん1口、白米2口
薬(ステロイド、抗生剤、胃薬)
排便があったので、見た目お腹はすっきりしていましたが、食欲はあまりありません。。牛肉ごはんなんて、元気だった頃であれば凄い勢いで食べたでしょうが、ほんの一口食べただけで興味を示しません。。
9:35 排尿+飲水
10:05 飲水、牛肉ごはん2口
10:20 白米25g
10:40 ニュートリカル(小豆大×1)、飲水+排尿
ステロイドを飲んで1時間半過ぎた頃から食欲が出てきました。
やはり、ステロイドの副作用(多食)のお陰で食欲が維持されているようです。
ドライフードをあまり食べなかった時は、ニュートリカルで栄養を補いました。
11:05 飲水
12:10 排尿+飲水
13:20 〃
14:05 〃
15:30 〃
17:35 〃
19:00 〃
ほぼ1時間半サイクルで排尿と飲水の繰り返しです。
トイレと水を飲む時以外、乙音は自分のベッドで寝ています。
なるべく動かないようにしているようです。それだけ体力がないのでしょう・・。
19:30 豆腐3口、ニンジンミンチ入りごはん3口、牛肉ごはん1口
何とか食べさせようと、私たちも必死でした。
犬は野菜の消化が苦手というのは知っていましたが、乙音は何故か昔から野菜が好きでした。
キャベツやレタスなど、シャキシャキした歯応えのものは好みます。
なるべく消化がいいように、ニンジンはミンチにして白米に混ぜました。
元々、チビっ子のくせに食欲は旺盛な子で、好き嫌いはありませんでしたが、病気になってからというもの、食べ物の好き嫌いが激しくなりました。
私たちが手間をかけるから我がままになったのかとも思いますが、おそらく食欲はないのでしょう。かろうじてステロイドの副作用により食欲が出ているだけで・・。
目先を変えれば、興味を持ってとりあえず喰いつくので、獣医先生と相談して豆腐などもあげてみました。
多飲多尿と同じく、いつもの食餌の喰いつきが急に悪くなったり、少しでも食欲が落ちてきた時は、何か異変が生じているのかもしれません。これも、病気のサインの一つだと思います。
19:55 排尿+飲水
20:55 〃
21:45 〃
22:45 〃
23:30 スキムミルク液 小さじ1
水の代わりにスキムミルクを水に溶かして与えてみました。Caとタンパク質の補給になるかと思ったからです。・・・それでも少ししか飲みたがりませんでした。。
牛乳などの乳製品は、一見、犬には良さそうに思えますが、獣医先生のお話だと、タンパク質にはいくつも種類があって、犬が吸収し易いタンパク質とそうでないものがあるとのこと。吸収のし易さに脂肪球の大きさがあります。牛乳のタンパク質は、犬にはあまり合わないらしいです。(ヤギ乳は比較的良いらしい。脂肪球の大きさは牛乳の1/6。鉄分+亜鉛を含む)
Caは注射で補えますが、タンパク質がそう簡単にいかない理由の一つは、その消化吸収のメカニズムにも関係するようです。
・・何とも厄介な病気になってしまったものです・・。
私たちは何が悲しいって、相当の食いしん坊(嬢)だった乙音が、食欲がないことでした。
こんなことになるなら、
「病気になる前に、美味しいものをたくさん食べさせてあげればよかった・・」
と、本当に思いました。
私の横で寝ている乙音は、
「げんきいっぱい!! なんでもたべましゅよー」
・・という、発症前の面影は、全くありませんでした。。
【闘病39日目】
食いしん坊(嬢)だった乙音は、発症前の面影がないほど食欲がありません。。
ステロイドの副作用(多食)によって、辛うじて食べている状態でした・・
0:00 排尿+飲水
0:55 〃
1:50 〃
〜8:30 排尿×4ヶ所
・・・またも爆睡してしまった。。
この晩は妻と共に、リビングに寝かせている乙音を看ていたのですが、妻も私も1週間に渡る慢性的な寝不足により、睡魔を追いやることができません。。
「こんなことではいけない・・寝ている間に、乙音に何かあったら・・」
妻と私は、交代して睡眠を取るようにしました。
最初からそうするべきでしたが、お互い心配で寝てもいられなかったので、無理していました。
乙音の状態から言って、私も妻もあえて口にはしませんでしたが、突然快方に向かうとは思えなかったので、長丁場になることは覚悟していました。
8:35 ドライフード(TLC)20g(スキムミルク粉入り)
豆腐大さじ1
ステロイド0.5錠、抗生剤、胃薬
朝から食欲がありました!
ドライフード20gというのは、健康時の6割増しの量でした。
喰いつきを良くするためのスキムミルクのお陰もあるとは思いますが、このところの食欲減退を見てきた私たちにとっては、とても嬉しい光景でした。
※食べさせていたドライフードは、TLCドックフードというカナダ製で、原料を厳選し、無添加・無着色、消化吸収率83%を謳っているものだったので、乙音の体重から毎食(朝晩)12gをあげていました。その会社のサイトに、「市販のドッグフード&キャットフードの安全性」について書かれたページがありますので、参考までにご紹介します。(直リンク禁止ですが、まぁ許して下さいね・・)⇒「TLCドッグフードの製品」
9:10 排尿
10:15 排尿+飲水
11:10 〃
12:00 飲水
13:00 排尿+飲水
今のところ調子は悪くなさそうです。
珍しく、お気に入りの出窓から外を見たがりました。
出窓の下にはソファーがあって、元気な頃はソファーに飛び乗り、軽やかに一気に出窓まで駆け上がったものでしたが、今はソファーにすら登れません。。
妻が乙音を抱いて、出窓から外を見せてあげました。窓を開けると、「クンクン」と、外の空気を吸っています。春之進も乙音も外が大好きで、それなのに私たち面倒くさがり夫婦は、あまり散歩に連れて行かなかった。。これは凄く後悔しています。。
13:35 飲水+排尿+排便(3つで5cm分)
「普通の」排便でした。
14:15 飲水+排尿
15:15 飲水
16:15 〃
おしっこをあまりしません。。見落とし?
16:20 たい焼き少々
私と妻が食べているのを凄く欲しそうにしていたので、ほんの少しあげました。
(※たい焼きは皮の部分だけ、細かくしてからあげました)
体には良くないでしょうが・・。
16:30 豆腐ハンバーグ6口分
豆腐とささみと牛肉、卵白の特製ハンバーグです。タンパク質豊富だと思うのですが・・。
16:55 排尿+飲水
18:00 ニュートリカル(小豆大×1)
排尿+飲水
少し熱っぽい・・
肉球が熱を持っています。。嫌な予感がします。。
19:00 排尿+飲水
20:00 ・・嘔吐。。
「やっぱりきたか。。」 調子がいいかなと思っていただけに、ガッカリです。。
16:20に食べたたい焼きと、16:30に食べたハンバーグを吐きました。。
たい焼きなんて食べさせたせいかな。。
20:30 排尿
耳を床に擦り付ける・・
「耳を床に擦り付ける」のは、今までは痙攣の前兆でした。
ドキドキしながら様子を見ます。
21:10 飲水
21:30 飲水、スキムミルク水(砂糖入り)8ml
ニュートリカル(小豆大×7)
食欲チェック・・・・はぁ。。
Caを注射するタイミングを見計らっていました。低血糖の可能性もあります。
スキムミルクに砂糖を入れて飲ませてみました。
おかゆを口許に持って行きましたが、「・・いらなぁーい。。」と顔を真横に背けられてしまった。。
その仕草、おとうさん、すごく堪えるんだよね・・つくちゃん。。
21:50 飲水+排尿
22:40 飲水
23:50 排尿
痙攣こそしないものの、「目は虚ろ&落ち着きが無い&歩くとよろける」の3点セット。。
すぐにでも病院へ駆け込みたいところですが、既にとうに診察は終わっている時間・・
・・どうしていつも診察時間が終わってから調子が悪くなるのさ。。
「今晩は危険だな・・」
睡魔との戦いに、絶対勝つぞ! と誓った夜でした・・
【闘病40日目】
診察時間が終わってしまった夜になってから、痙攣こそしないものの、「目は虚ろ&落ち着きが無い&歩くとよろける」という状態の乙音。。
「睡魔との戦いに、絶対勝つぞ!」と誓った夜でしたが・・・
〜続き〜
0:10 嘔吐(何も出ない・・)
0:15 胃薬2.5ml
・・やっぱり、また吐いてしまいました。。
吐く動作はしますが、何も出てきません。
前日の20:00に吐いたとき、それまでに食べた物を吐きつくしたのでしょう。。
水などは飲んでいましたが、それは吐きません。
吐く動作は、全身を大きくうねらせます。
骨と皮になってしまった乙音にとって、かなりの体力の消耗です・・・
「嘔吐の原因は、ステロイドで胃が荒れているせいかもしれない」という、獣医先生のご指摘があったので、胃薬(水溶液)をスポイトで飲ませました。
乙音は、錠剤を飲み込むのはとても嫌がり、喉の奥にうまく投げ込んだと思っても、舌を上手に使って吐き出してしまいましたが、液体の薬をスポイトであげると嫌がらずに飲んでくれます。(スポイトはとてもお気に入りでした。)
ただ、この胃薬だけは凄く嫌がりました。口許に持っていっただけで、すっごい形相で
「ちょっとぉ〜!!! あんた、なにするのぉぉぉぉぉぉぉぉ!%&#$*&%?」
と、嫌がります(苦笑)。
なだめすかしても飲まないので、強制的に飲ませていました。嫌がるのを無理やりはとても可哀想ですし、乙音も抵抗して体力を使うのですが、仕方ありません。。
2:30 排尿+飲水(少量)
4:00 排尿
6:00 飲水+排尿
6:30 排便! 普通、5cm
胃薬が効いたのか、その後は落ち着いていました。
ただ、いつもより飲水量が少ない気がします。
「普通の」排便もあり、少し安心しました。
8:00 食欲チェック ・・・撃沈。。
8:30 ステロイド、抗生剤、胃薬
9:00 通院
TP、Ca共に上がらず。肝疾患異常値見当たらず・・。
10:15 飲水
10:45 飲水+排尿
12:30 〃
12:35 〃
12:45 白米(小皿1/2)、ニュートリカル(小豆大×1)
ミニトマト(種・皮以外4/5)
食欲が少しでてきました。トマトは如何なものかと思いましたが、妻が食べているのを欲しがったので、害のなさそうな部分をあげました。
何でもいいから食べて欲しい、そう思っていたので・・。
13:00 飲水(少量)
13:40 飲水+排尿
14:20 〃
15:15 〃
15:55 排尿、排便(普通、6cm)
16:45 排尿+飲水
17:15 飲水(スポイトで20ml)
18:00 ミニトマト1個+ささみ2g、食欲無し、やっと食べる
抗生剤2ml、胃薬0.5ml
普通の排便があり、少しすっきりした感じでした。
ステロイドは朝だけなので、食欲が無いのかもしれません。。この頃、ステロイドは1日1回(朝のみ1/2錠)になっていました。ステロイドの服用は、「服用開始時は多く、だんだん量を減らしていく」という原則があります。
18:40 排尿+飲水
19:10 〃
19:15 飲水
20:35 豆腐・にぼしMIX(10g)、ささみジャーキー1本
ニュートリカル(小豆大×1)
ささみジャーキーは、パッケージの「無添加良品」という文字に惹かれて買って来たものです。これも如何なものかと思いましたが、タンパク質は多いし、喰いつきが良いのでたまにあげていました。(消化できないと困るので、薄くスライスして)
20:55 排尿+飲水
21:20 〃
22:15 飲水
22:45 排尿
23:10 飲水
23:50 排尿+飲水
おとといまでは、排尿と飲水は毎回セットでした。昨日から、どちらか一方という時が増えています。ただ、1回の飲水量やおしっこの量が減っているわけではないので、多飲多尿の症状が改善されているわけではありません。
他に気付いたのは、「トイレ以外でおしっこしてしまう」場合が増えたことです。
乙音がトイレに向かうとき、私か妻が必ず付いて行きます。様子を伺っている気配を感じるのか、その場合には、乙音は絶対にトイレシーツ以外で粗相することはありませんでした。それがこの頃から、春之進の匂い(トイレは共通)のある場所ではおしっこをしなくなりました。この理由は未だに分かりません。。想像するに、「嗅覚が敏感になっていた」・・とも思いますが。
他、毎回歩く道が決まっていました。乙音の歩く邪魔にならないよう、最短距離で水場やトイレに行けるようにしてあったのですが、何故か遠くても今までの「乙音道」を歩きます。これも良く分かりません。。白内障の症状が出ていたため、視力が落ちていたので、記憶や感覚で歩いていたのでしょうか・・。
今日も幸い、大事には至りませんでした。
けれど、おしっこと水を飲む時に歩く以外、ベッドでずっと寝ています。。
無駄な動きを一切しない、「寝たきり」の状態に近い乙音でした・・・
〔↑寝起きの乙音(右)と春之進(左)。・・あのぉ、寝ぐせついてますけど・・〕
【闘病41日目】
↑これは、私達が付けていた乙音の闘病記録ノートです。
3/24から、症状や排泄、飲水、薬、食べた物、その他気が付いたことをその時間と共にノートに書きとめていました。闘病記事はこのノートを見ながら書いているのですが、最初の方は、診察の内容や結果、どんな薬を飲んでいたかなどの記録がありません。。記録の目的は、診察の際、家での乙音の状況を先生に正確にお伝えするためでした。なので、カルテに書いてある内容の記録はしていません。乙音は絶対に治ると思っていたので・・。
せっかく記録するなら、治療の詳細についても記録しておけば良かったと思っています。。
2004/4/5 闘病41日目
ほぼ、「寝たきり」の状態の乙音・・
調子がいいと思っていたら、また悪くなる・・の繰り返しの日々でした。
昨夜、21時過ぎ頃から「くしゃみ」をするようになりました。
0:45 排尿+飲水
1:40 ささみジャーキー1本、豆腐にぼしmix10g
飲水
2:50 排尿+飲水
4:40 〃
6:00 〃
7:15 〃
8:00 〃
9:00 豆腐にぼしMIX10g、TLC(ドライフード)12g
9:05 ステロイド1/2錠、抗生剤、胃薬
今朝は調子が良いようです。
ステロイドを飲ませる前に、食欲がかなりありました。
食べる仕草にも力があります。
こんなにも、ただ「食べてくれる」ということが嬉しいと思うとは、発症前は思いもしなかったことです。にぼしは犬猫用のものでした。味見してみると結構ショッパイ気がしたので、あまり大量にはあげなかったのですが、少し細かく崩して掌に乗せて与えました。今でも私の掌には、乙音の舌の感触が残っています。。
9:10 飲水
10:30 排尿+飲水
12:00 〃
13:15 〃
14:30 〃
16:00 〃
16:30 飲水(スポイト10ml)、ニュートリカル(小豆大×1)
ベッドで横になってる時は、眠っています。できるだけ体力を温存して欲しい・・
18:00 飲水+排尿
この後、部屋の中をちょろちょろ歩き回りました。少し寝ては、またちょろちょろ・・
落ち着かない感じではなく、元気があるみたいです(笑)
20:12 飲水(スポイト10ml)
20:40 排尿、にぼし少々
20:50 飲水
おしっこの回数がいつもより少ない気がします。
とりあえず、耳を擦り付けたりする「痙攣の前兆」は見られなかったので安心していました。
21:15 嘔吐×3回連続⇒痙攣(てんかん?)、失禁。。
突然のことでした・・全く予期していないことでした。。
直前に前兆と思われる行動はありませんでした・・何故??
スヤスヤ寝ていた乙音がムクっと起きたと思ったら、私達から遠ざかるように部屋の隅(トイレとは反対方向)に歩き出し、立ち止まって全身を大きく前後に揺らせて嘔吐しました。。
・・しかも続けて3回。。
2回目の嘔吐の後、「もう一回したら、また・・」と思っていたら、3回目の嘔吐の後、バタリと床に横になって倒れました。その後すぐに四肢を伸ばし、首を大きく反って動かなくなりました。。
見ると、失禁しています・・
3回目の嘔吐の瞬間の乙音の顔は、3/24の最初の痙攣で見た「地獄の顔」そのものでした。。けれど今回は痙攣というより症状としては「てんかん」でした。四肢の震えは確認できません。
倒れこんだ後の乙音の顔は、無表情で大きく目を見開いたまま瞬きをしません。。
私達が「乙音が死んじゃった・・」と思った、あの時と同じ・・。
3/24の時は、私達には「心肺停止状態」に見えました。次の日、先生にそのことを伝えたら、「それはないと思いますよ」と言われたのですが、私達は「呼吸が止まって、何かのきっかけで蘇生した」と思っていました。この時、心肺停止ではないことを確認しましたので、先生のおっしゃったことが正解だったと分かりました。けれど、動かなくなった状態を見たら、死んでしまったと勘違いしてもおかしくない・・。
すぐに先生に電話しました。21時過ぎでしたが、先生に申し訳ない、などと思う気持ちの余裕は無く・・。すぐに看て頂けることになったので、急いで車を走らせました。
病院までの20分が長かったのを覚えています。幸い、夜だったので道は空いていました。
病院へ到着。すぐに先生も自宅から来て頂きました。お礼もそこそこで、すぐに血液検査をして頂き、「Caが低いですね」とのこと。低血糖もあるようです。
Caとブドウ糖と肝臓の薬を皮下注射して頂きました。
当の乙音と言えば、少し驚いたような顔こそしていましたが、グッタリしている感じはありません。
「これで様子を見て下さい」 先生に丁重にお礼を言って、自宅へ戻りました。
22:25 排尿
22:30 ささみジャーキー1本、にぼし2本
自宅へ着いてから、何か食べたい感じだったので少し食べさせました。
けれど、ドライフードには見向きもしなかったので、食欲があった感じではありません。吐いて体力を失った分、乙音は食べることで体力を回復をしようとしていたように思えました。
今回は痙攣の前兆と思っていた行動がなかった。
にもかかわらず、痙攣(てんかん)を起こした・・
私達は訳が分からなくなっていました・・
「これじゃぁ、痙攣を防ぐことなんてできないじゃん。。」
乙音の仕草で状態が判断できると、高をくくって半ば安心していた私。
リアルタイムにCaや血糖値の監視をしない限り、痙攣を防ぐのは不可能に思えました。。
〔↑仲良く爆睡中、カメラの気配で起きる春之進と、微動だにしない乙音(笑)〕
【闘病42日目 前半】 最悪の夜
乙音の仕草で状態が判断できると、高をくくって半ば安心していた私。
痙攣の前兆と思っていた行動がないまま、乙音は2回目の痙攣を起こしてしまいました・・・
痙攣後、夜間でしたが急いで掛かりつけの病院へ。
血中Caの低下(低カルシウム血症)による痙攣発作とのことで、Ca+ブドウ糖+肝臓の薬を皮下注射して頂き、「これで一安心」と、ホッとしていました。
0:00 飲水
0:40 痙攣。。失禁、脱糞(下痢)
Caを補給したはずなのに・・またも発作です。。
皮下注射したCaや薬が効き始めるのは、おおむね1〜2時間後とのことでした。
皮下注射をしたのは午後10時頃。効いているはずの時間でした・・
今までの2回の痙攣は、嘔吐の後で発作を起こしていました。
今回は、ベッドで寝たままの発作でした。。前兆などありません。。
しかも、恐れていた「下痢」も伴い・・
『どうなってるの・・・』
過去の経験を生かして、痙攣を未然に防ぐつもりでいたのに、これではどうにもなりません。。
妻と二人、半ば放心状態で、無言で下痢の処理をしました。
24時間体制を布いて13日、私達は肉体的にも精神的にも疲れきっていました・・。
そしてこの発作・・。私は考える気力を全く失っていました・・。
『ちょっと、何やってるの?』
妻に叱咤されました。。
乙音は半身下痢まみれ・・。早く片付けをしてあげなければいけない状況です。
・・どうも私の手際が悪かったようです・・。
混乱していた私は訳もなく逆ギレ・・妻と喧嘩になりました。
私達が言い争っている姿を間近に見ていた乙音は、これ以上開かないというくらい、目をまん丸にしていました。
その姿を見て、喧嘩は一次休戦。乙音が元気になったら再開という協定を結び、この晩は妻が乙音を看ると言うので、私は春之進を連れて寝室へ行きました。
・・・本当に疲れました。。
さっきの乙音の顔が思い出され、なかなか寝付けません。
私がボーっとしていたのが悪いのに逆ギレしたことについて、妻には申し訳なかったと思いました。。
・・・気が付くと朝になっていました。
知らないうちに眠っていたようです。。
妻の付けた記録を見てみました。
2:15 飲水+排尿
3:50 〃
5:00 Ca・ブドウ糖皮下注射、下痢(ベッドで少量)
5:30 下痢(トイレで大量)
7:00 排尿
8:00 〃
9:00 〃
大量に下痢をしています。。私に見せるためにペットシーツを残してありました。
大判(44cm×59cm)ペットシーツの2/3くらいに下痢が広がっています。。
見たところ血は混じっていませんが、やや血の匂い(鉄分の匂い)がしました。
昨夜の2回の痙攣。
しかも1回目の後に先生に診て頂いて、Caなどを皮下注射して頂いたのに・・。
その上、大量の下痢・・。
腸の病気を疑っていた私にとって、この大量の下痢を見た時の脱力感は、文字ではお伝えできません。。
この日は、妻が独りで乙音を病院へ連れて行くことになりました・・
【闘病42日目 後半】 遅すぎた判断
2006/4/6 闘病42日目(後半)
一晩で2回もの痙攣・失禁、そして大量の下痢・・
夜間に病院へ駆け込み、Caなどを皮下注射して頂いたのに・・・。
今までの病状では有り得ないことでした・・
前夜、喧嘩して一次休戦中の私と妻は、やっぱりどこかギクシャクしていました。。
基本的に、乙音を病院へ連れて行くのは私の担当でした。理由は3つ。一つ目は「あなたの方が先生の言ってることが分かるでしょ?」という妻の見解。二つ目は、私の方が妻より時間が自由になること。三つ目は、「同じ人間が通しで診察の経過を見た方がいいだろう」という考えからでした。
この日は妻が病院へ連れて行くと言うので、私は春之進とお留守番。待つ身はとても不安で仕方ありません。。
10:30 通院、血液検査、エコー、ステロイド・Ca・ブドウ糖他注射
11:40 車中で排尿
11:50 車中で下痢
12:00 車中で排尿
帰りの車の中で、下痢やおしっこをしたようです。
車の中など、トイレ以外で排泄することは無い子でしたので、よほど我慢できなかったのでしょう・・。
12:20 排尿
12:45 排尿
13:15 排尿、ドライフード(TLC)10g、にぼし10匹、抗生剤、胃薬
13:45 にぼし5匹、ささみジャーキー1本
13:50 排尿+飲水
少し落ち着いたのと、ステロイドが効いてきたのか、食欲がありました。
ドライフードを食べる時は、結構食欲がある時です。
14:20 飲水+排尿
15:20 ドライフード(TLC)10g、にぼし豆腐MIX×3口分
15:30 飲水
15:50 にぼし豆腐MIX×1口分
15:55 排尿
またも食べたがりました。食べ過ぎると便秘になりそうなのですが、とにかく食べて体力を戻すことが先決です。欲しがるまま食べさせました。
長い時間寝てくれません。。
17:20 排尿+飲水
やっと1時間以上、眠ってくれました。
18:00 にぼし12匹、ドライフード1g、排尿+飲水
19:15 排尿+飲水
20:00 飲水+排尿
21:30 排尿
22:50 Ca+ブドウ糖、留置より注射
22:55 排尿、排便(下痢。。)
23:00 抗生剤、胃薬
夕方から、良く寝れているようです。ただ、腹水は溜まっています。。今なら断言できますが、「末期症状」の腹水とは違い、低タンパク血症による腹水です。
この時の体重は1.7kg。腹水分を差し引けば、実体重は1.6kgを切っていたかもしれません。
発症前2.2kgから、数字上は500g減っただけなのですが、抱きかかえた時の体感体重は、半分になった感じがしました。むしろ、砂糖の1kg袋の方が、体積が違うとはいっても随分重く感じました。。
少し前までは、1日単位で良くなったり悪くなったりだったのが、今や数時間単位で状態が変わっています・・。これ以上、嘔吐や下痢、痙攣を起こしてしまったら、「病気が治るより先に乙音の体力が持たない・・」と、かなりの危機感を抱きました。。
もはや、「生検をするために体力を回復させる」なんて悠長なことは言っていられない状況でした・・。
「こんな対症療法をしていたら、乙音はこのまま死んでしまうよ。。」
「明日、先生に大学病院のことを相談してみよう・・」
・・・遅すぎる、本当に遅すぎた判断でした。。
【闘病43日目】
大学病院へ行くことが決まり、それまで病状が悪化することなく、「何とか持ち堪えて欲しい・・」・・そう思っていました。
腹水は溜まっていました。このときは、胸水もあったようですが、見た目判るのは腹水だけでした。
0:25 にぼし5匹、ドライフード8g、白米20g
0:35 排尿
0:50 排尿+飲水
1:00 パン、少々(親指大)
3:00 排尿+飲水
日付が変わって、更に調子が良くなったようです。
白米を20gも食べたのは驚きでした。
消化が良いように、噛み砕いてあげていました。
腹水は多い気がしましたが、調子は良さそうで、トイレに歩く足取りも軽く見えました。
4:30 排尿+飲水
5:45 〃
7:00 〃
8:30 〃
排尿と飲水がセットの時は、比較的調子がいいみたいです。
具合が悪そうな時は、どちらか片方だけという傾向がありました。
9:50 ドライフード3g、にぼし10匹、ニュートリカル(小豆大)×1
ステロイド、抗生剤、胃薬
10:10 排尿+飲水
11:00 ささみジャーキー1/2本、にぼし3匹
11:05 排尿+飲水
11:30 飲水
11:35 白米4口分
12:20 排尿+飲水
13:00 ドライフード5g、飲水
14:30 排尿+飲水
14:40 ささみジャーキー1本、にぼし7本、ドライフード1g
ご覧の通り、食べようとする物は何でも食べさせました。
栄養バランスを考えると、最優先はドライフードで、それを食べない時は、次から次へ食べそうな物を差し出す感じでした。とにかく食べて。。
今のところ、食欲もそこそこあり、状態は悪くありません。
15:45 排尿+飲水
17:00 〃 元気なし
18:00 通院
16時頃から、急に元気が無くなりました。。
念のため、病院へ連れて行きました。
Caとブドウ糖とステロイドを皮下注射して頂き、帰宅。
19:00 排尿+飲水
20:05 〃 耳を床に擦り付ける、目が虚ろ
20:50 〃 院長先生にTEL
病院でCaと薬を皮下注射してから2時間経っているのに、例の「痙攣の前兆行動」がありました。。薬は効いているはずの時間です。。
不安になり、院長先生に電話してみました。(夜間は担当の先生には連絡が取れないため)
通院時には院長先生は別の病院にいらっしゃったため、皮下注射して頂いたこと、現在の様子をお伝えし、どうしたらいいか相談してみました。
「注射打ってるので、様子を見て下さい」 ・・・。
当たり前と言えば当たり前ですね。。今から診て頂いても、他にすることはないのです。。
様子を見守るしかありませんでした。。
今日も辛い夜になりそうな予感がします・・
21:00 抗生剤、胃薬、ニュートリカル(小豆大)×1 前兆行動続く・・
21:30 飲水+排尿
22:00 Ca注射
先生に電話してから1時間、もうヤバイと思い、Caを少し注射しました。
今の乙音にとって、痙攣は絶対に防がねばなりません。
痙攣を起こす度に、どんどん弱っていってしまいますので・・
22:05 排尿
22:30 白米6口、にぼし2匹
23:45 排尿+飲水
Caを注射したのは良かったようです。前兆行動は無くなりました。
少し食欲が出たのは驚きました。しかしながら本調子には程遠く、「体力を回復するため」、本能的に欲しがっている気がしました。。
ここに時系列で書いていない時は、乙音は寝たままでした。
「起きて横になっている」というより、「眠っている」ことが殆どでした。
大学病院で診てもらうまで、何とか病状を好転できないかと思いました。
神頼みなどしない私ですが、持っているお守りを全てかき集めて、亡き父、亡き祖父、亡き叔父・・たくさんの「神」に祈りました。
「・・乙音を助けて下さい」 ・・・祈りは通じるのだろうか。。
【闘病44日目】
病院でCaと薬を皮下注射したのにもかかわらず、「痙攣の前兆行動」があり、自宅で急遽Caを注射。またも、今までになかった状態でした。痙攣は低Ca血症が原因のはず。どういうことなのか分かりません。
Caの注射をしてから、痙攣の前兆行動はなくなり、食欲も少しありました。
少なくともこのまま朝まで何も起きないことを願いました。
0:10 排尿+飲水
0:15 ささみジャーキー1/2
1:00 排尿
1:25 飲水
3:00 排尿+飲水
4:30 排尿
6:00 〃
7:20 排尿
8:40 飲水
10:00 飲水+排尿
10:10 排便 普通、5cm
調子はあまり良くなさそうですが、とりあえず何事も無く朝を迎えました。
やはり調子が悪い時は、飲水と排尿はセットではないようです。
朝食は9時頃なのですが、食欲はなく、食べません。。
排便があり、またも「普通」の便でした。腸の病気ではないのかな・・。
10:45 ステロイド、抗生剤、胃薬、
ニュートリカル(小豆大)×2
10:55 排尿
11:50 通院 血液検査、エコー
やはり調子が良くないので、病院へ連れて行きました。
血液検査の結果は、TP=2.7、Ca=3.1。
これ以上は下がらないようです。ですが上がりもせず、下げ止まり状態・・
エコーの結果は、「心臓は問題なし。腸壁やや腫れあり。腹水あり。」
腸壁の腫れが気になります。先生に下痢していないか聞かれましたが、下痢はしていないと答えると、「ん・・・。」 ここで下痢でもしてくれていれば、腸の病気の疑いを持ってもらえたのかもしれません。。
12:50 Ca、ブドウ糖、皮下注射
通院の際、自宅用にCaとブドウ糖の注射を貰ってきました。
13:00 排尿+飲水
13:10 にぼし10匹、ささみジャーキー1/2、ごはん1口、セレクト缶1口
13:30 排尿+飲水、ニュートリカル(小豆大)×2
14:45 にぼし5匹、ドライフード5g
14:55 飲水+排尿
15:05 白米9口分
ステロイドやCaなどのお陰でしょうか・・食欲がありました。
食べる時はとにかく食べさせることにしていました。
少し腹水が目立ちます・・
15:50 飲水+排尿
16:50 〃
17:45 〃 くしゃみをし始める
18:30 〃
18:40 吐く動作をする。目が虚ろ。呼吸が荒い・・
乙音の過去の痙攣の前には、
・耳を床に擦り付ける(耳を痒がっている感じ)
・ふらつく
・くしゃみ
・目が虚ろ
・嘔吐 ・・という症状がありました。
嫌な感じになってきてしまいました。。しかもまた、夜になってからです。。
すぐ先生に電話をしました。
「そうそう注射をするわけにもいかないので、様子を見て、注射は明日の朝でいいと思います。」・・とのこと。この時は担当の先生が不在で、院長先生と話しました。
どうも、院長先生の対処には、「大丈夫なの?」と思ってしまいます。
様子を見て、やばそうだったらすぐ注射するつもりでいました。
19:10 排尿
19:20 落ち着いて寝ている
19:35 排尿
20:25 〃
20:40 飲水 ふらつく、目が虚ろ・・
21:30 注射(1/2量)
少し落ち着いて寝ているかな・・と安心していたら、またもフラフラし始めました。。
目が虚ろの時は、目の焦点が定まっていない感じで、目の開き方もおかしく、明らかに具合が悪そうな目になります。。目に生気がありません。。
先生からは、注射は朝でいいと言われましたが、朝まで持たないと判断。
1/2量の注射をしました。これでもだめなら、もう1/2量を打つつもりでした。
21:35 排尿+飲水
22:20 抗生剤、胃薬、水(スポイト)、
ニュートリカル(小豆大)×2
22:50 飲水+排尿
23:30 排尿
闘病43、44日目に共通していることは、「Caの注射をしても、痙攣の前兆行動を起こす」ということです。それ以前は、Caを注射すれば容態は安定しました。先生が「注射は朝でいい」というのも、今までの経過から見れば間違ってはいなかったと思います。
Caを必要以上に投与すると、心臓に負担がかかったり、他の弊害が出てくるということで、できるだけ注射しないことになっていました。
ちなみに、「高カルシウム血症」の場合、次の病気が考えられるようです。
・ビタミンD過剰症
・上皮小体機能亢進症
・甲状腺機能亢進症
・副腎皮質機能低下症(アジソン病)
・腫瘍(骨腫瘍、リンパ腫、乳腺腫瘍など)
乙音は、「低タンパク血症」による「低カルシウム血症」と診断されていました。
血中Caが低いので、腫瘍の類は否定されるはずです。
ただ、大学病院では、「腫瘍があるかもしれない」と言われたので、あくまで私の推測ですが、
「腫瘍による高カルシウム血症」<「低タンパク血症による低カルシウム血症」
になっていて、腫瘍の存在が隠されていた・・ということがあったのかもと思います。
素人なので、有り得ることかは分かりませんが、そう考えると辻褄が合ってきます。
何れにしても、
「教科書通り」にはいかない病状のようでした・・
【闘病45日目】
闘病43・44日目では、「Caの注射をしても、痙攣の前兆行動を起こす」という状態になりました。闘病42日目までの、「Caを注射すれば容態は安定する」という考えではダメなことが判りました。「教科書通り」にはいかない病状のようでした・・
この日はあいにく日曜日でした。
できる限り、休日・夜間に病院へ駆け込むことは避けたいので、何とか1日何事も無く過ぎて欲しいと願っていました・・
1:00 飲水+排尿
1:40 排尿 くしゃみ、耳を床に擦る・・
2:10 飲水+排尿
3:00 排尿 腹水が引いてきている!
3:50 排尿
4:25 飲水+排便(普通9cm+同量の下痢。。)
5:00 飲水+排尿
「くしゃみ・耳を床に擦る」動作は、痙攣の前兆行動として見ているものです。
前夜、Caを1/2量注射したのは21:30。
注射してから5時間経っていますので、効いていないより「足りていない」ことになります。。残りの1/2量が入ったままのシリンジ(注射器)を、乙音の寝ているすぐ傍に置き、いつでも注射できる状態にしてありました。
3:00にトイレに歩いた時、腹水のチェックをしてみました。
確実に腹水は引いています!
よく分かりませんが、腹水が引くのはいい傾向です。
6:00 飲水+排尿
7:00 注射(Ca、ブドウ糖、肝臓薬)、ステロイド、抗生剤、胃薬
1日1回打つのが決まっている注射を早めに打ちました。
前兆行動が出てからCaを注射しても遅い状態になっているので、なるべく早めに対処しなければと思っていました。
7:30 にぼし8匹、ジャーキー1/2本、ドライフード3g
ニュートリカル(小豆大×2)
8:35 排尿+飲水
9:20 にぼし2匹、ジャーキー1/2、ドライフード5g
9:30 排尿+飲水
11:20 飲水
12:15 飲水+排尿
13:00 〃
13:55 〃
14:50 〃
16:00 〃
17:05 〃
18:40 〃
定時の注射と薬の後、食欲が出てきたようです。
「ドライフードを食べる時は調子が良い時」のようなので、少し安心しました。
昼過ぎからは、45〜90分間隔で「飲水+排尿」のセットでした。
これも、調子がいい傾向と判断していました。
相変わらず、トイレと水を飲む時以外はベッドで寝ています。。
元々、春之進と違って、あまり寝ない子だったので、寝ている姿をずっと見続けるのには慣れていません。。早く前のように、「チャカチャカ」動き回る乙音の姿が見たいと思いました・・
18:45 ジャーキー1/2、にぼし10匹、ドライフード5g
ニュートリカル(小豆大×2)、抗生剤、胃薬
夜はステロイドを飲ませていませんでしたが、抗生剤と胃薬は朝晩飲ませていました。ステロイドは「免疫低下」の副作用があるため、「ステロイドの投与中は感染症に掛かり易い」状態にあります。先生は、「人間ならば無菌室に入っていてもおかしくない」とおっしゃっていました。投与量にもよるのですが、乙音にはこれまでにかなりの量のステロイドを投与しています。免疫低下は十分考えられる状態でした。
ですが、春之進もいるし、自宅でできる感染症対策と言っても、なるだけ清潔にしておくことしかありません。。空気清浄機も一応気休めに置いてありました。
19:10 飲水+排尿
19:50 排尿
20:30 飲水
21:15 排尿
21:55 排便(普通、4cm)
22:20 排尿
23:10 飲水+排尿、ニュートリカル(小豆大×1)
23:25 注射(Ca、ブドウ糖、肝臓薬)
1日1回の注射を、この日は深夜にも打ちました。「12時間空ければ良い」ということだったので、万が一のことを考えての処置です。
この日は2回排便があり、朝は下痢まじりでしたが、夜は全く普通の便でした。
下痢をし続ければまだ腸の病気の疑いもできるのですが・・。
腸の病気でも、「断続的な下痢」の場合はあるようですが、あまりに下痢の間隔が長すぎるようです。先生は腸の疾患の可能性は低いと判断されていました。私も腸の病気については調べていましたが、確かに腸の病気であれば、下痢をしなさ過ぎでした。。
かといって、一番疑いの強い「肝臓疾患」であれば、今の病状からすれば、「黄疸」の症状が出てもいいはず・・。
先生も通院の度に黄疸が出ていないかのチェックはされていました。
しかし、黄疸は確認できず・・
「大学病院で診てもらえれば、きっと原因が判るはず・・」
もう、その手しか残っていませんでした・・
けれど、大学病院の予約は4/24(月)・・まだ2週間も先です。。
発症から2週間で、乙音の病状はかなり悪化し、体重は激減していました。
体重が減ってから1ヶ月。
何とか後2週間、病状が悪化することなく、できれば少しでも改善されて、大学病院で「治る」治療をしてもらえることを、ただ願うばかりでした・・・
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闘病記 番外
【ある日の記録】
【桜】
【発症から34日間の検証】
【乙音が教えてくれたこと】
【医療費について】
【乙音の出産のこと1】
【乙音の出産のこと2】
【偶然でしょう・・か】
【愛しき家族との別れ(ペットロス)に向き合う】
【自宅での医療行為】
【動物の理解力】
症状
・嘔吐
・便秘
・多飲多尿
・胸水
投薬
・利尿剤
・心臓疾患薬(ENACARD
検査結果
・血漿総たんぱく(TP)=3.1g/dL
症状
・体重の激減
投薬
・抗生物質(パセトシン)
・肝機能改善薬(ネオファーゲンC)
・ステロイド(プレドニゾロン錠 5mg)
・ 抗生剤
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