動物の病気 -詳細-


分かりにくい 内分泌の病気



・甲状腺機能亢進症



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・甲状腺機能低下症


「甲状腺機能低下症は、診断は難しく治療は簡単」・・のようです。


◎原因
免疫による甲状腺の破壊、または原因不明の甲状腺の萎縮による。
甲状腺組織の破壊または萎縮が75%を越えると症状が現れる。

◎症状
「どんな病気にもみえる」といわれているほど、症状は様々。
「年のせい?」と思われがちな症状とのこと。
  ・ボーっとしている。動きが鈍い、嫌がる。反応が悪い。
  ・脱毛(非対称、局所的)、毛ツヤが悪い。
  ・皮膚の炎症
  ・食欲不振。食べている量の割りに太ってくる。 
  ・良くなったり、悪くなったりを繰り返す。

◎確定診断方法
放射性免疫抗体測定法(甲状腺ホルモン測定)
※糖尿病、クッシング症候群、アジソン病、腎疾患、肝疾患,各種皮膚炎、リンパ腫などでも甲状腺ホルモンは低下するため、総合的な判断を要する。

◎治療
甲状腺ホルモン製剤の投与
※確定診断後でないと、逆に亢進(こうしん)症(ホルモン過多)になってしまうので注意。
※猫にも多い「甲状腺機能亢進症は、「目がギラギラしている」ように見え、放っておくと心臓発作の危険がある。

◎発病し易い犬種
※5〜6歳以降の中型犬、大型犬に多い(トイ種、ミニチュア種の発病は稀)
※去勢、避妊済みの子に多い。
グレートデン、オールドイングリッシュシープドッグ、ドーベルマン、ダックスフント、アイリッシュセッター、ミニチュアシュナウザー、ゴールデンレトリバー、ボクサー、コッカスパニエル、エアデールテリア

※詳しくは⇒「甲状腺機能低下症という病気をご存知ですか?」

甲状腺機能低下症かどうかの簡単なチェックがあるようです。
⇒緑ヶ丘動物病院HP 「甲状腺機能低下症の自己診断スコア

この病気は、獣医が見落とさず、学んでさえいれば、CTなどの設備も不要で診断も治療もできるようです。
ある程度の年齢になってから発症し、食欲もギリギリまで落ちないため、
「病気らしく見えない」「年のせい」・・と勘違いしてしまいがちな点が恐いですね。。

ホルモン剤を飲み続けなければならないし、亢進症にならないように注意しなければならない点は、糖尿病の治療と似ているようですが、
早く気付けば、「元気を取り戻し、長生きできる」ようです。


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・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)


自然発生の場合と、医原性(ステロイドによる薬害)の場合に分けられるようです。
[診断が容易で治療は難しい]・・と言われているようです。


◎症状
コルチゾールという、ステロイドホルモンの過剰に伴う様々な症状がみられる。
(左右対称の)脱毛、多食、肥満、多飲多尿、無気力、元気がなくなる、お腹が膨らむ(腹水無し。エコーでも異常確認できない)、
毛ツヤが悪くなる・・など。

◎自然発生と医原性
自然発生⇒脳下垂体・副腎の腫瘍、副腎の異常による
医原性⇒ステロイドの過剰投与、長期投与による副腎の萎縮

◎医原性かどうかの判別
刺激ホルモンを注射
自然発生⇒ステロイドホルモンの分泌が多い(副腎の萎縮なし)
医原性⇒       〃         少ない(副腎の萎縮あり)

◎治療
自然発生⇒副腎の腫瘍は外科手術、脳下垂体の腫瘍は手術困難→投薬治療
医原性⇒徐々にステロイドの投与を減らし、副腎機能を回復させる

◎自然発生が起こり易い犬種
プードル、ダックスフント、ビーグル、ボストンテリア、ボクサー
※8歳以上での発症が多い


アトピーなどでステロイドの投与(飲み薬、塗り薬)を受けている場合、医原性のクッシング症候群になり易いようですので要注意です。
獣医の間でも、「ステロイドを多用する獣医が多く、医原性のクッシング症候群を作っている」と批判している方がいるようです。
皮膚炎の治療のためのステロイド薬ですが、クッシングになれば、皮膚炎にもなり易いため、「治療しているはずが、更に悪化」させる場合もあるとのこと。。

医原性で、ステロイドの投与量を減らし、副腎機能を回復させる治療を行う場合に、飼い主が注意しなければならないこと
→「かゆみが増し、悪化したように見えるので、その期間を耐えること」・・だそうです。
副腎機能が回復すれば、自分でステロイドホルモンを分泌するので、次第に良くなっていくようです。


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・副腎皮質機能低下症


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・糖尿病


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初期症状の現れにくい 肝臓の病気



・門脈シャント


門脈とは、「腸と肝臓を繋ぐ血管」のことです。
シャントとは、「バイパス」のことで、門脈シャントは、「門脈にバイパスが出来てしまう」病気です。
腸から吸収された栄養と、肉類などから発生するアンモニアやガス、その他口から取り入れる雑菌などは、腸⇒門脈⇒肝臓へと送られ、
不要なものは肝臓で濾過されて、きれいな血液が体内を循環するようになっているそうです。
門脈シャントの場合、肝臓を通らないバイパスができてしまうことにより、肝臓の機能を使うことができなくなり、
アンモニアや体に悪いものが直接血液に混ざってしまうことになります。


◎原因
1)先天性
2)後発のもの(門脈の圧が高いためにバイパスができる)

◎症状
(肝臓を使っていないため)肝不全の症状がある。
   ・肝性脳症(アンモニア等の毒素が脳に行く)
   ・肝臓炎(肝臓に血液が流れないことによる機能低下)

◎発症の特徴
食後(特に肉類を食べた後)に症状が現れる。
発育が悪い、異常に痩せている。
   ・元気が無い
   ・躁鬱状態
   ・凶暴化
   ・目が見えなくなる
   ・痙攣(てんかんと酷似)・・・など

◎診断
カラーエコーによる目視診断
血液検査(血中アンモニア濃度など)

◎治療
手術(門脈シャントの閉塞手術)
※術後の経過が良ければ、生存率は高い

◎発病し易い犬種
   ・ヨークシャーテリア
   ・ミニチュアシュナウザー など

◎発病時期
生後2、3ヶ月頃から6ヶ月頃までが多い。


先天性のことが多いため、普通食に切り替えた頃から発症するようです。
手術をしなければ、治らない病気のようです。
痙攣や異常行動など、神経症状がでないと発見し難く、また幼い頃に多いことから、「ジステンパー」や他の病気と間違われる場合もあるとのこと。
早期の手術が必要なので、診断を誤らないことがとても重要のようです。

手術そのものは、シャント(血管)を縛って血流を止めるだけのようですが、シャントのある場所によって難易度・成功率は違い、
シャントが肝臓の外にある場合は成功率は高く、肝臓の内部にある場合は難しい手術になるようです。
血管の手術になるため、大学病院等、それなりの病院・経験のある獣医師の下で手術することが必要のようです。



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・腫瘍


犬に多い腫瘍は「肝細胞ガン」、猫に多いのは「胆管ガン」とのことです。
ただ、発生率はさほど高いものではないようです。

肝臓の場合、腫瘍のできる位置によって症状が異なり、
  @肝臓の端にできた場合、症状は現れない。
  A血液循環の主要な部位中や胆のうに出来た場合、肝機能不全が起きる
・・ようです。

腫瘍のでき方にもいろいろあり、
  ・大きなものが一つできる
  ・肝臓内部に幾つもできる
  ・境目がハッキリしないように広がる ・・などとのことです。

手術で取ることのできるようなものと、そうでないものとで、運命がハッキリ分けられるようです・・
肝臓表面近くに大きな腫瘍が出来る場合、
お腹(あばらの下辺り)を触れば確認できることが多いようなので、たまにチェックすることも必要かもしれません。
肝臓のどこに腫瘍が出来たとしても、他の臓器に比べて「症状が出ない」ようなので、早期発見が困難なようです。。

「症状が出ない」大きな理由は、「肝臓は8割程度の機能が失われても、肝不全にならない」からとのこと。
肝不全の症状が出たときには、かなり深刻なダメージがある可能性が高いようです。。
お腹を触って確認できた場合は、まだ幸運なのかもしれませんね。。

早期発見については、「エコーによる診断」が有効のようです。
人間と同じで老化によってガンの発生率は高まるようなので、特に老犬の域(6歳以上)になったら、年1回は健康診断を受け、
エコーによって臓器(特に肝臓・腎臓)のチェックをすることが望ましいのでしょう。


腫瘍摘出手術の場合。
犬の肝臓は6枚の葉状に分かれているそうで、「腫瘍の無い部分を如何に残すかの判断が重要」とのこと。
肝臓は、とかげのしっぽのように、なんと「生えてくる(元に戻る)」そうです!
肝臓の3/4を摘出しても、犬の場合、8週間で元に戻るとのこと。(すごい!)
元に戻るまでの間、肝機能を保つために、「如何に良いところを残すか」・・だそうです。
手術によって腫瘍が全て取れ、肝臓が再生すれば、完治できるようです。
腫瘍を取るために、「早期発見できるかどうか」、そして「最小限の摘出」・・が分かれ道のようですね。

肝不全の場合、目に見える分かり易い症状は「黄疸」です。
白目や皮膚、口の粘膜などが黄色くなるのですぐに分かるはずです。
肝臓が機能しなくなってしまったので、毒素が体中に回ってしまうことになります。
嘔吐、多飲多尿、下痢、元気喪失、痙攣(肝性脳症)・・などの症状が現れるようです。


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治療の困難な 心臓の病気



先天的に、心臓に奇形のある確率は0.5%程度という統計があるようです。
生後数ヶ月頃に、「元気がなかったり、成長が遅かったりする」ことが多く、また「可愛い顔をしている子犬に多い」・・という説もあるようです。

心臓病は、「弁の機能不全・形成不全」「動脈異常などによる血流阻害」「欠損(穴が開くなど)」・・が多いようです。
特に弁の異常は多く、また手術の難易度も高いようです。
そして、人工弁(チタン製)への置換手術の場合、手術費用はかなりの高額になるようです


・動脈管開存症
・心房中隔欠損症
・心室中隔欠損症




・僧帽弁閉鎖不全症(先天性および後天性)


この病気に掛かる犬種で多いと言われているのは、「マルチーズ、キャバリア」。
そして・・
チワワ、プードル(トイ/ミニチュア)、ダックスフント、ミニチュア・シュナウザー、ポメラニアン、ヨークシャーテリア、シーズー


この病気は、加齢(10歳頃から)、そして遺伝によるものと考えられているようです。
特にマルチーズは、10歳以上で発症率が60%を越えると言われています。

この病気は、「左心房と左心室の間にある弁が、充分に機能していない」ものです。
本来、一方通行でなければならない血液の流れが、「一部逆流している」状態です。
※詳しい図解と解説はこちら

何故そうなってしまうのか?
この弁(僧帽弁)は、腱状の組織によって支持されていて、この腱〔腱策(けんさく)〕が切れたり、伸びたりという変化を起こすことによって、
僧帽弁が上手く閉じなくなるから・・のようです。また、僧帽弁そのものが肥大化し、閉じにくくなることもあるようです。

弁というのは、開閉する動作をするものですが、「開いて血液を流し、閉じて逆流を防ぐ」ものです。
僧帽弁は、肺で新鮮な酸素を受け取った血液を大動脈に流すのに必要な弁なので、僧帽弁が機能しないと、
「血液の巡りが悪くなってしまう」・・ようです。


《僧帽弁閉鎖不全症の症状》

 〔初期〕
  ・(血液の逆流による)心雑音がある。
   ※ドックン、ドックンではなく、ザーンという一つの音に聞こえる。
  ・左心房の肥大がみられる。

 〔中期〕
  ・少しの運動で息切れをする。
  ・元気がなくなる。(動きたがらない)
  ・苦しそうな咳をする。(肺に水が溜まっている〔肺水腫〕状態)
   ※夜間〜早朝など、「横になって寝ている時」に多い。(うっ血のため)

 〔重度〕
  ・常に呼吸困難の状態。(横にならず、お座り姿勢のままでいたりする)
  ・心臓全体の肥大がみられる。

  
《僧帽弁閉鎖不全症の治療法》

  ・内科療法(対症療法)
     1)強心剤+利尿剤 ※排尿を促し、肺のうっ血を緩和するため
     2)血圧を下げる薬 ※心臓の負担を減らすため
     3)血管拡張剤 ※心臓の負担を減らすため

  ・外科手術(根治治療)
     1)人工僧帽弁(チタン製、生体利用の弁)の置換手術
     2)腱策の補修手術
     
     僧帽弁閉鎖不全症の手術は、
     @僧帽弁を支持している筋(腱策)の修復
     A人工弁への置換        ・・のどちらかになるようです。

どちらの手術も、成功すれば完治する可能性は高いようです。
ただし、それぞれに欠点があり、「腱策の修復」の場合は再発する可能性があり、「人工弁置換」の場合は、
弁が金属によるために血栓が出来易い・・そうです。


手術をしなければ治らない病気のようですが、程度によっては、投薬のみの治療でも充分な延命が可能とか・・
手術は、難易度が高く、しかもかなり費用がかかるようです。
(弁置換手術で100万以上、腱策の補修手術で60万以上・・らしいです) 

加齢と遺伝によるものであるので、発症を防ぐことはできそうにありませんが、我が子ができるだけ苦しまないように
「早期発見」してあげることはできそうです。

初期の「心音の確認」は、常々、我が子の体に耳をつけて心音を聞いていれば、発症した時に違いが分かるでしょうし、
「息切れする」「動きたがらない」どうかも、気にしていれば比較的早く気付けると思います。



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・肺動脈狭窄症
・ファロー四微症
・心不全
・フィラリア症






治りにくい 皮膚の病気



アレルギー皮膚疾患の治療は容易いものではなく、一度発症してしまうと、それまで問題なかったものにまで過剰反応を起こすことが少なくないようで、
様子を見ながら根気よく、長期の治療が必要になるようです。
また、アレルゲン検査で陽性になったものが全て原因になるとは言えず、アレルゲンの排除をより困難にしているようです・・。

・アトピー性皮膚炎




・好酸球性皮膚炎

好酸球は白血球の一種で、アレルギー反応の制御を行うものです。
本来、フィラリアや寄生虫に対抗する役割を担うものですが、現在ではそれらの予防・駆除がしっかりできていることにより、
好酸球の出番は少なくなっています。
そのため、「他のものに反応し始めた」ことがアレルギー疾患が増えた要因ではないか、という説があるようです。
(詳しくは⇒好酸球性皮膚炎。)

好酸球性が引き起こす病気は、他に好酸球性腸炎好酸球性肺疾患などがあるようです。
好酸球性皮膚炎に併発して、膿皮症という病気もあるようです。


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