セカンドオピニオン

この獣医師・病院で、大丈夫?


セカンドオピニオンという言葉、私は乙音のことがあってから知りました。
それまで、「他の獣医師に、飼い主が意見を求める」ことなど、考えもしませんでしたから・・

獣医師に何か不安や不満があったら、転院することを考えると思いますが、むやみな転院は逆効果になる場合もあります。
転院先が良いと言えるかどうか、果たして素人の私たち飼い主に判断できるかは疑問ですし、
転院することで、現在の治療がリセットされたり、過剰な薬の投与をされてしまうことも実際あるようです。
時間外でどうしようもなくて、仕方なく連れて行った病院は別ですが、数ある動物病院の中から掛かりつけの病院を選んで受診している以上、
何かその病院に「良い」という認識があったはずです。
転院のリスクを考えれば、まずはセカンドオピニオンという選択ではないでしょうか。


セカンドオピニオンは、場合によってはとても重要になります。
この「場合」ですが、概ね、以下の基準ではないかと思います。

  1)獣医師の態度、病院の基本的な診療方針に不安や不審な点がある。
  2)通院する度に薬を変える。 (※原因が分かっていない場合が多い)
  3)一向に症状が改善しない。

どれも、飼い主が不安に感じることです。

「獣医師には得手・不得手がある」ということは「獣医師とは?」に書きましたが、どんなに良さそうな獣医師でも、得手・不得手はあると思います。
動物の病気とその治療法をどんなものでも熟知し、経験をしている獣医師というのはいないに等しいと思います。
分からないことがあって当然だと考え、獣医師の技量と気持ちを飼い主が見抜かなければなりません。
(素直に「分からない」という獣医師は謙虚な方だと思います。)


1)は、「誠意がない」と感じた場合です。

2)は、「薬の効果を見て、原因を探っている」状態か、「目先の症状を改善することに躍起になっている」場合だと思います。
私たち飼い主もいけない面がありますが、治療の効果が見えないと、「ヤブ・・?」と思ってしまいますよね?
獣医師も分からない、治せないなんて、そう簡単に言えないと思います。
薬をコロコロ変える場合、「分かっていない」状態であるため、そのままズルズルと時間が過ぎるのは考えものです。
但し、薬を変える理由を獣医師が説明してくれて、その説明に医学的な根拠がある場合は別です。

3)は、飼い主がヤキモキしてしまう状態で、獣医師に不審感を持つ一番の理由でしょう。
この場合、まずは担当獣医師に説明を求めることが先です。
皮膚病などはすぐに症状が改善しないことも多いようですので、説明を求めず、安易に転院したりするのは愚の骨頂です。


では、セカンドオピニオンをどこに求めるか?・・ですね。。
これは何とも難しいです。
より大きな病院へ行くか、口コミを信じてみるか・・
病名が分かっていれば、その分野の得意な獣医師に相談すればいいですが・・
「口コミ」は、(我が子の病気を治せるという意味で)信用できるかどうかの判断が必要だと思います。
同じ症状の子を診て頂いた飼い主さんからの情報なら信じられるかもしれませんが、全く違う症状だった子の情報は、
獣医師の得手・不得手という点で、信用できるかは分からないと思います。
口コミで信じていいのは、「獣医師の熱意(絶対に患者を助ける)」でしょうか。。
熱意のある獣医師なら、「分からなかったら、分かる獣医師を紹介する」はずだと思うからです。


セカンドオピニオンの結果、掛かりつけの獣医師の判断と同じであれば、飼い主としてはひとまず安心です。
そのまま継続して受診する場合が多いでしょう。

では、もし違った場合。
どっちを信用するか・・。

ひとつの判断としては、「どちらの獣医師が、分かっているか?」「どちらの獣医師が、親身であるか?」・・でしょうか。

どちらが分かっているかは、飼い主にもある程度の知識がないと判断できません。
丁寧な説明をされ、もっともらしいことを言われても、その獣医師の方が「分かっている」とは必ずしも言えません。
判断するのは、素人の飼い主です。
なので、「分かっている方」・・という点で判断するのは難しいと思います。

「親身さ」でなら、人を見抜ける方なら判断できると思います。
ただこの場合は、飼い主に相当の「病気に関する勉強」が必要ですが。
心配であるならば、もっと他の獣医師に意見を求めることも考えなければならないかもしれません。


ネットで獣医師に相談できるサイトもあります。

だいじょうぶ?マイペット (無料)
ひよこ診療所 (無料)

私も相談したことがあります。
我が子を見せずに相談するような場合は、「どれだけの情報を提示したか」によって、回答の信用度が異なります。
ネットでのセカンドオピニオンは、参考程度に考えた方が良いもしれません。
ネットでは、同じ症状の子の例を探した方が、「この先どうなるか、どんな病気だったのか」ということが分かるので、
その方が重要かもしれません。



セカンドオピニオンの際に必要なこと


1)掛かり付けの獣医師に、今までの検査結果と投与した薬を聞く。
2)セカンドオピニオン先の病院へ相談予約をする。
3)我が子を連れて行く必要があるか相談する。(連れて行く必要は必ずしもない)
4)セカンドオピニオンで聞くことを整理しておく。

掛かり付けの獣医師に、「セカンドオピニオンをするから」と言うのは気が引けるという方もいると思います。
「あなたは信用できるかどうか分からないから、別の人に聞いてみる」・・ってことですからね。。
転院しないときのことを考えると、内緒にしておきたいものです。
ですが、言うべきだと私は思います。
動物の治療は、「飼い主と獣医師のコミュニケーション」が大事です。
「セカンドオピニオンしたいと思う心境なのです!」とハッキリ言うことは、飼い主の意思を示すことです。
それに対し、真摯に受け止める獣医師でなければ、真のコミュニケーションは取れないのではないかと・・
それで不機嫌になってヘソを曲げ、検査データも出してくれないようであれば、「我が子を絶対に助けてあげたい!」などとは
到底思っていない方・・ということでしょう。

まあ、そんなケースもないとは言えないので、
「検査をしたら結果を聞く」「もらった薬の名前と、もらった日付と、服用量を控えておく」「注射したら、どんな注射か聞いておく」
・・ということは必要だと思います。


飼い主は、「獣医師に気を遣い過ぎる必要はない」と思います。
何かあっても、(よほどの医療過誤でなければ)責任をとってくれるわけではありません。
まして、もし亡くなってしまったら、我が子は二度と帰って来ないのですから・・

言うべきことは言う」「聞くべきことは聞く」・・という強い姿勢が、我が子を守るためには絶対に必要になると思うのです・・





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